【独自】「手取りを増やす」どう実現するか…“大躍進”国民民主党・玉木雄一郎代表を青井キャスターが直撃 意外な“素顔”も

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先日の総選挙で躍進した国民民主党の玉木雄一郎代表。超過密スケジュールの中、30日、政界のキーパーソンが、イット!の青井実キャスターの単独取材に応じた。そこでは、イット!だけに明かした素顔もあった。キーワードの「パックご飯」「地下アイドル」も、本人の口から飛び出した。

自民党・立憲民主党から熱いラブコール

まずは、そんな玉木代表に寄せられる自民党からや立憲民主党からの熱いラブコールについて。

自民党は31日、国民民主党との幹事長会談を行うと発表。国民民主側が掲げる政策の一部を政府の経済政策に反映させることで、政権運営への協力を仰ぐとみられている。

一方の、立憲民主党の「ラブコール」もなかなかのもの。30日午前、野田代表は日本維新の会の馬場代表と党首会談を行ったが、その直後の取材で、玉木代表に向けて笑顔でこう呼びかけた。

立憲民主党・野田佳彦代表:
あの…ぜひ早くお会いしたいなと思います。
だから早くお会いしましょうと言うことです。
早くお会いしたいですよね。

「早くお会いしたい」と繰り返すこと3回。総理指名選挙で、国民民主に「野田」と書いて欲しいと考えているようだ。

総選挙で28議席獲得という大躍進を果たした事で、与党が過半数割れし混沌とする政界で、キャスティングボートを握った玉木代表。報道各社が集まる朝の囲み取材に行ってみると、記者から、立憲との党首会談について飛んだ質問にこう答えていた。

国民民主党・玉木代表:
首相指名に関する党首会談をお申し出をいただきましたけれども、我々は「玉木雄一郎」と書くということを今日も確認しましたので。

「売れない地下アイドルが、ようやく地上に」

青井キャスター:
どうですか今、忙しくなってるなというか、注目集めてるなという感じはありますか?

国民民主党・玉木代表:
ますます責任の重さを感じています。野党にも、ただ反対ではなくて、建設的な貢献を日本の政治に対してしてくれというメッセージを受け取っていますので。

単独での取材をリクエストしたところ、移動中の車の中でのインタビューの許可がおりた。

まずは、解散総選挙から現在に至るまでの毎日について聞いてみた。

国民民主党・玉木代表:
きのうも久しぶりに宿舎に帰ってね、1人暮らしですから、今ね。

青井キャスター:
料理を作ったりされたんですか?

国民民主党・玉木代表:
したした。パックご飯と(レトルトの)ビーフシチューをレンジでチンして…あとは夜、カップ麺食べて。野菜が足りてないよね。

寝る間もほとんど無く、食事はパックご飯やカップラーメンで済ます日々だとか。

総選挙の前と後で、忙しさや注目度が段違いとなった玉木代表。その状況を説明するのに出た“意外な例え”とは…。

青木キャスター:
今、めちゃくちゃ注目されていますが。

国民民主党・玉木代表:
そうなの?ずっと売れない地下アイドルって言われていたので。売れない地下アイドルのままで頑張ってたんですけど、ようやく地上に出てこれるかな。

“売れない地下アイドル”だったという、その心は…?

国民民主党・玉木代表:
同じ歌を、ずっと同じ場所で路上ライブやってたんですけど、普段は通り過ぎている中で、今回選挙を機に、国民民主党がいるんだ、こんな政党があるんって気づいてくれた。

青井キャスター:
敵のエラーで見つかったのか、それとも、時代が見つけてくれた?

国民民主党・玉木代表:
一つは時代が見つけてくれたところもあって、やっぱり民間の努力で賃金上がっても、結局 税金保険料高くて、なんだちっとも豊かになってないじゃないか。

愚直に訴え続けてきた「手取りを増やす」という政策が、時代の流れに乗ってようやく注目されたという説明だった。

「手取りを増やす」政策…どう実現するか

さらに「手取りを増やす」政策をどう実現するのか聞いた。

今の政治状況そのものが、政策実現の大きなチャンスだという。

国民民主党・玉木代表:
いいことだと思っているんですよ、自公が過半数割れしたっていうのは。
でも、比較第一党は自民党に与えているし、この微妙な、国民が選んだこのパターンがね。これを不安定だと考えるんじゃなくて、ちゃんといろんな人の意見聞きなさいよという国民のメッセージだとしたら、新しいルールをここで作ると。

国民民主党・玉木代表:
野党が仮に全部まとまったら、確かに野田さんになるんだけど、野党全部まとめて政権取ってもらいたいっていうふうに多分国民は思ってないし。

見えてきたのは、“自公との連立”や“野党の大連立”ではなく、政権に政策を取り入れさせる代わりに、部分的な協力を行うというプランのよう。
勝負どころのタイミングは…。

国民民主党・玉木代表:
今、与党は自民党・公明党ですから、その与党にしっかり働きかけて、「所得税の控除拡大」「103万円の引き上げ」、これを入れてもらわないといけないので、これからの1カ月くらいが勝負だと思いますね。

なかでも玉木代表が最も力を入れる政策のひとつが、いわゆる「103万円」の壁。

パートやアルバイトなどで給与所得が年収103万円を超えると、所得税がかかるという壁。
国民民主党は、この線引きの額を178万円に引き上げることで、手取りを増やすという政策を今回の選挙でも訴えてきた。

(10月26日 東京駅での演説)
国民民主党・玉木代表:
私たちは「103万の壁」の問題、これを今回絶対やりたいと思っている。
聴衆:
やってくれ〜!

国民民主党・玉木代表:
だって年末商戦、クリスマス商戦、カラオケ屋さん、これから忘年会。一番稼ぎ時なのに、学生アルバイトを雇えなくなって、雇ってる人も困ってるし、働きたい人はもっと働きたいのに、働けない、これ誰得なんですか?

この訴えは、若者や現役世代の心をとらえたが、実現には問題点も指摘されている。それは、線引きを引き上げたことで、減った税収の財源をどう確保していくのかということ。国民民主党の案を実現するためには、約8兆円の財源が必要だという声もある。

青井キャスター:
税収が減っちゃうのではないかという考えもありますが?

国民民主党・玉木代表:
減るというより、取り過ぎている税を国民にお返しする。

青井キャスター:
個人消費を促す目的もある?

国民民主党・玉木代表:
大きな効果あると思います。だって、103万しか稼げない人が178万円まで手元に残れば使うでしょ。そうすると、消費税収も増えてくるし。

青井キャスター:
でも実行できるものなんですか?

国民民主党・玉木代表:
やるしかないですよ。自民党・公明党さんも今、過半数割れていますから。ぜひ受け入れていただいて。協力いただけるなら、その分こっちも協力するということ。

青井キャスター:
やるぞっていう、決意みたいなものはひしひしと玉木さんから感じましたね。ただ、ここからなんですよね。じゃあ、それをどうやって実行していくのか、政策としてどう組み上げていくのか。玉木さんの手腕、これからも注目していきたいと思います。
(「イット!」 10月30日放送より)