画像は『室井慎次 敗れざる者』より
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 「踊るプロジェクト」12年ぶりの新作映画『室井慎次 生き続ける者』のマスコミ試写会(未完成版)と緊急特別捜査会議(記者会見)が30日、東宝試写室にて行われ、プロデューサーの亀山千広と製作総指揮の臼井裕詞(フジテレビジョン ドラマ・映画制作局長)が出席。2012年に完結した「踊る大捜査線」メインシリーズの続編の可能性について言及した。

 織田裕二演じる湾岸署の刑事・青島俊作が主人公の「踊る大捜査線」シリーズは、劇場版第4弾『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012)で完結を迎えた。12年ぶりの新作は、青島と27年前に“ある約束”を交わした室井慎次(柳葉敏郎)が主人公となっており、柳葉やメガホンを取った本広克行監督は、同作が「踊る大捜査線」ではないことをイベント等で強調している。

 室井のその後が描かれたとなれば、青島ら湾岸署メンバーの物語の続きも気になるところ。亀山プロデューサーは臼井氏に向けて「全てはこちら(フジテレビ)の指示通りです」と冗談交じりに話し、「今回『敗れざる者』『生き続ける者』を作るにあたっては、 織田くんに限らず、湾岸署にいた全ての方たちの素材を使わせていただくので、その素材をお借りするために映画の話をしていますし、ある意味、僕らが動いたっていうことはご理解いただけているのかなと思います」と湾岸署メンバーの承認を得た上で製作を進めたと強調する。

 臼井氏も「全ては亀山さん次第です」と続け、「湾岸署のメンバーには、今回こういうプロジェクトが立ち上がるという話は、みなさんにご理解いただいてスタートしているので、ここから先は『何が生まれるか』ということ次第だと思っています」と回答。「私ができることは、とにかく、(企画が)1個でも動き始めたら、全面的に協力することです」と前向きな姿勢を見せた。

 また、亀山プロデューサーは「踊るプロジェクト」再始動作の主人公に室井を選んだことについても言及。「なぜ室井さんをやったかというと、青島くんを代表する湾岸署メンバーは、僕らはファンタジーだと思っているんです。あの人たちってどこへ行っても生きていられる。今もしっかり自分の場所を見つけて生きて、そして反発しながらやっているんだろうなと思えるんです」

 一方で「室井さんをはじめ、新城、沖田ら官僚チームは法律を整備したり制度を作ったりする側なので、それに縛られている。つまり、リアルを持ち込んでくる人たちだったんです。『踊る大捜査線』は、そのリアルとファンタジーがせめぎ合っていて、ファンタジーが勝つからヒーローになるということで愛されたんだと思います」と続けた亀山プロデューサー。現在のリアルな室井慎次の姿を考えた際、「官僚システムから外れているか、もっと偉くなっているか」の二択だったそうで、「ただ『警視総監 室井慎次』という映画を作る気は全くなかったので、こういう話になりました」と明かしていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

『室井慎次 敗れざる者』全国公開中
『室井慎次 生き続ける者』11月15日(金)全国公開