「ばけばけ」ヒロインに決まった高石あかり - 写真提供:NHK

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 29日、来年秋から放送されるNHK連続テレビ小説の113作目「ばけばけ」のヒロインを、朝ドラ初出演となる俳優・高石あかり(高=はしごだか、21歳)が務めることが、大阪放送局にて行われた会見で発表された。会見後、制作統括の橋爪國臣が起用の決め手などを囲み取材で明かした。

 「ばけばけ」は、島根・松江の没落士族の娘で、「怪談」などの著作で知られる小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツをモデルとしたオリジナルストーリー。外国人の夫と共に怪談を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語をフィクションとして描く。脚本はNHK「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」(第30回橋田賞受賞)などのふじきみつ彦。小泉セツをモデルとしたヒロイン・松野トキを高石が演じる。

 ヒロインは、「あんぱん」(2025年度前期)、「カムカムエヴリバディ」(2021年度後期)に次いで3番目に多い人数となった、2,892人の応募があったオーディションで選ばれた。橋爪は「自然体の演技ができ、そこに本当に生きていると思わせる人」を基準に探していたと言い、和装を整えて現れた高石を見て「あ、この子なんだな」と直感するほど輝きを放っており、全員一致でもめることなく高石に決定したという。最終オーディションには知名度の高い俳優も含めて9名が残ったが、作者のふじきが書いた台本を演じる高石を見て「一番長く見たい」と思ったことが決め手となった。知名度についてはオーディションということもあり、もとからあまり意識しておらず「自分たちが一番やりたい人、いい作品を作ること」を第一に考えたという。

 今回のヒロイン発表にあたり、同局の報道番組「列島ニュース」で会見が生中継され、話題となった。橋爪は「大阪放送局の皆さんや視聴者の皆さん、みんなで高石さんを迎えてあげたいという思いが強かった」と言い、「これだけ記者の皆さんに集まっていただいて、高石さんも『こんなにいると思わなかった』と言っていました。彼女がこれからヒロインをやっていく上で、大きな力になる」と、生中継をして良かったと振り返った。(編集部・小松芙未)