ロシア軍、ICBMなど戦略核戦力の使用を想定した演習実施…プーチン大統領が指揮
ロシア国防省は29日、プーチン大統領の指揮の下、核兵器を搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)などを含む戦略核戦力の使用を想定した演習を実施したと発表した。
ウクライナ侵略で対立を深める米国などに核戦力を誇示した。
演習は2022年2月のウクライナ侵略開始後、同年10月と23年10月にも実施しており、侵略開始後は3年連続となる。
同省によると、露軍はアルハンゲリスク州プレセツク宇宙基地から、ICBM「ヤルス」を発射。北極圏に近いバレンツ海やオホーツク海では潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「シネワ」と「ブラワ」を発射した。核搭載可能な戦略爆撃機「Tu(ツポレフ)95」も参加。すべてのミサイルは目標に到達したという。
演習にオンラインで参加したプーチン氏は「核兵器使用は国家の安全を確保するための例外措置だ」としつつ、「軍拡競争に参入するつもりはないが、必要な水準の核戦力を維持する」と述べ、戦略核戦力を維持する意思を強調した。
プーチン氏は9月、核兵器の使用要件を定めた「核ドクトリン」の改定方針を表明した。ウクライナを支援する西側諸国も核攻撃の対象になると示唆している。