【本日の見通し】高値警戒感強い、地合いは堅調
   
 海外市場でドル円はしっかりの展開となった。米雇用動態調査(JOLTS)は予想を大きく下回る744.3万件に留まり、約3年半ぶりの低水準となったが、米国南部を襲ったハリケーン「へリーン」「ミルトン」の影響が大きいと見られたことや、同時刻に発表されたコンファレンスボード消費者信頼感指数が予想を超える強い結果となったことから、影響は目立たなかった。
   
 市場は指標動向よりも5日の大統領選に向けた姿勢を強めている。激戦州7州の動向はまだ僅差で、ミシガン州ではハリス氏の支持率がトランプ氏を再び上回るなどの状況が見られるが、全般としてはトランプ氏優勢の流れが継続していると見られること、上院選は共和党が51議席確保の見込みが強いこと、接戦の下院でも支持率が拮抗している42の選挙区のうち17選挙区を共和党が抑えれば共和党が過半数を確保する勢いであることなどから、トランプ氏が政権を握った場合、政策が通りやすくなり、物価高からのドル高を招くとの思惑が広がっている。
   
 こうした流れは今日も継続と見られる。154円から155円にかけての水準ではドル売り注文が入ってくると見られるが、下がると買いが出る流れが継続か。154円トライの機会をうかがう展開が見込まれる。
   
 ユーロドルは1.08台前半推移、1.07台を積極的に攻める勢いが見られず。ただ、戻りでは売りが出る流れ。ユーロ円は166円台での買いに少し慎重。ただ、ドル円の堅調地合いもあり、下がると買いが出る流れ。
   
 本日9時半に第3四半期消費者物価指数が発表される豪州。CPIは伸びが一気に鈍化する見込みとなっており、利下げへの期待が広がるようだと豪ドル売りが見込まれる。豪ドルドルは先週初めの0.6720台からの下げが続き、昨日は一時0.6550割れを試した。流れはまだ下方向と見られる。
   
MINKABU PRESS 山岡和雅