大谷翔平 日本ハム時代の先輩の姿が重なった「胸つかみ走法」その先輩がNYに滞在中という奇遇
ドジャースが28日(日本時間29日)、ヤンキースとのワールドシリーズ(WS、7回戦制)第3戦を4―2で制し、3連勝で4年ぶり8度目の制覇に王手をかけた。第2戦で左肩を亜脱臼した大谷翔平投手(30)は患部を保護しながら強行出場し、初回に四球を選んでフレディ・フリーマン内野手(35)の先制の決勝弾を呼んだ。メジャー7年目で初の世界一まであと1勝。死力を尽くす姿勢を示した。
大谷は亜脱臼した左肩をかばうようにユニホームの首元をつかみ、なるべく左肩を揺らさないようにして走塁。この姿に重なったのが日本ハム時代の先輩にあたる田中賢介氏だ。奇しくも田中氏はNHK―BSの解説者としてワールドシリーズを取材中。田中氏は自身が現役時代の2015年に右肩を亜脱臼しながらプレーした際も右手を胸に当てて走る大谷と同様の走り方を見せており、当時の経験から第3戦の中継では「スイングは問題ないと思うんですが、走る時が痛いんですよ。私も全く同じことをやったんですけど、(ユニホームを)持っていると肩がズレないので走っていても痛くないんですよね」と解説していた。
大谷もこの「胸つかみ走法」について「スライディングをした時に、今の状態だと(左肩が)外れる場合が多いので、それを防ぐためにやっていた」と説明。当時、日本ハムでプレーしていた大谷も先輩の姿を覚えていた可能性もある。
田中氏はこの日のNHK―BSの解説でも大谷について「走る時が一番痛い。特に引いた時。引かないように(首元に)手を置いているんだと思います」と説明。自身の体験談として「走るのが痛かったですね。後ろに腕を引かないように持っていました」とし、大谷が覚えていたかどうかについては「どうなんでしょうね。10年前ですからね。自分で思いついたのかもしれません」と話した。
大谷はここまでのワールドシリーズは3試合を終えて11打数1安打の打率.091、3四死球と数字として結果は残せていない。だが、第3戦では第1打席の四球がフリーマンの先制2ラン、第2打席の二ゴロ進塁打がベッツの適時打を呼び込むなど、数字に表せない部分でチームに貢献しており、あと1勝に迫った悲願の世界一まで献身的なプレーが期待される。