ネオジャポ福田みゆ5年目の「闘い」 ライブ前なのに涙が止まらなかった…葛藤からの再起【ソロインタビュー連載第2回】
5人組女性アイドルグループ「NEO JAPONISM」(通称ネオジャポ)が、現体制5周年を迎える12月14日、東京・日比谷野外音楽堂でワンマンライブに挑む。10月31日には2年ぶりとなる新アルバム「EGOIST」をリリース。メンバー滝沢ひなのが手掛けた収録曲「きづいて」は音楽番組で披露されると瞬く間に話題となり、注目度は増すばかりだ。今回は5人それぞれにソロインタビューを敢行。数々の伝説が刻まれてきた“音楽の聖地”へ向かうネオジャポの現在地を探った。2回目は福田みゆが登場します。
――2年ぶりの新アルバムはどのような作品ですか。
福田「まだアルバムに収録されてない人気曲があったり、この短い期間でたくさんの新曲を収録しました。全14曲が収録されていて、かっこいい曲からエモい曲まで、いろんなジャンルの曲が入ったアルバムになっています。ネオジャポニズムがこれまで頑張ってきた努力が詰まった作品だと思います」
――個人的に聞いてほしいポイントは?
福田「ネオジャポニズムって結構強い曲が多いんですけど、今回はエモい曲もあるので、そういう歌い方に注目して聞いてもらえると嬉しいです」
――今回のアルバムで、歌い方に工夫をされた部分はありますか。
福田「『All of us』っていう曲があるんですが、レコーディング中に、普段は眉間にしわを寄せて強めの歌い方をしてしまうんです。でも、この明るい曲では笑顔で歌わないと表情が声に乗らないので、めちゃめちゃ口角を上げて、草原を想像しながら歌いました。草原をイメージするような曲ではないんですけど、爽やかで明るい感じを出すのに草原が一番しっくりきたので、それをイメージしながらレコーディングしました」
――滝沢ひなのさん作詞作曲の「きづいて」を聴いてみて。
福田「初めて聴いた時、ひなちゃんの人柄がすごく出ていて、いい曲だなと思いました。歌詞がダイレクトに心に響く感じで、歌っていても感情が乗りやすい曲です。パフォーマンスしている時も、自分自身もエモい気持ちになっていくような、そういう曲ですね」
――振り付けについては。
福田「メンバーの辰巳さやかちゃんが担当してくれたんですけど、『いいねって言ってもらえたよ』っていう歌詞の部分で、私が歌いながら、後ろで2人ずつに分かれてハイタッチしてるんです。最初は自分がハイタッチする相手がいないのでどうしようと思ったんですけど、その『いいね』っていうフレーズがすごくわかりやすくて、自分もノリで表現できる部分でした。歌詞が表現しやすいからこそ、ダンスにも反映しやすくなっていますね」
――グループの強みや武器は何だと思いますか。
福田「ネオジャポといえばパフォーマンス、と言いたいところなんですが、まだまだ自信が持てない部分もありますね。5年近く活動してきた中で、長く続けるうちに逆に自信がなくなってきたりもして。まだまだ自分たちの魅力はパフォーマンスだとはっきり言えるほどの自信はないです。これからも成長し続けたいです。勝ち抜くためには、やっぱり努力が一番大事だと思います」
――高く評価される歌について、どう感じていますか。
福田「歌を褒めていただけることが多いんですけど、素直に『ありがとう』と言えない自分もいて、まだまだ自分は理想に届いていないという気持ちが強いんです。だから、褒めていただいて嬉しい反面、もっと自分がやれることがあるから待っていてくださいっていう気持ちにもなります」
――福田さんが磨いていきたい武器はどこですか?
福田「最初の頃は歌を褒めてもらうことが多かったんですが、最近はファンの方々から『みゆちゃんのダンスがすごくいい』って言っていただけるようになりました。手先まで意識が行き届いているとか、見ていて気持ちいいって言ってもらえることが増えて、『あれ、私ってダンスを評価されるんだ』って思うようになりました。最近は歌もダンスも自信を持っていいのかなって感じています」
――目標にしているアイドルや歌手の方はいますか?
福田「昔からアニソンをよく聴いていて、例えばLiSAさんはライブパフォーマンスの熱量がすごいなと憧れています。ライブ映像を見て、この自由な動きがかっこいいなって思うんですが、まだ自分はそこまでできていなくて…。彼女の歌い方やライブパフォーマンスにはすごく影響を受けています」
――福田さんの趣味である麻雀についても教えてください。
福田「麻雀は家族全員がやっていて、妹やおじいちゃんおばあちゃんも含め、みんなでやってたんです。ついていけないのが悔しくて、半年前から始めたんですけど、だいぶ打てるようになって、役満も上がったことがあります。ゲーム配信でも麻雀をやっていて、そこからファンの方が現場に来てくれることもあります。ファンとのコミュニケーションにも役立っているなと思います」
――麻雀が出会いを広げるきっかけにもなっているんですね。
福田「そうなんです。女性のプロ雀士の方が、麻雀をきっかけに(ネオジャポに)興味を持ってくれたんです。麻雀を通じていろんな出会いがあるのがすごいなと思います。まだまだ上手くなりたいので、これからも頑張りたいです」
――今年を振り返って「闘う」にまつわるエピソードがあれば。
福田「今年は個人的にメンタルをやられてしまった時期がありました。思うように活動できなくて、もどかしい気持ちがあって…。その時、ライブ前に涙が止まらなくなって、メンバーと一緒にいられず、別の部屋にいたこともありました。メンバーと仲が悪いとかではなくて、ただ自分が保てなくて迷惑をかけたくなかったんです」
――大変な時期だったんですね。
福田「今年で活動が5年近くになるんですけど、そこで自分のメンタルが崩れたことで、これまで頑張ってきたものが全て止まってしまうんじゃないかって思った時、急に『まだまだやらなきゃ』って気持ちが湧いてきて。それからは自分自身と闘って、少しずつ前向きになれました。今はやりたいことがたくさんあって、メンバーと一緒に絶対ここに立ちたいという目標も明確に持てるようになりました。まだ闘いは続いていますが、自分のメンタルとの闘いはもう終わりましたね」
――12月の日比谷野音でのワンマンライブに向けて取り組んでいることは?
福田「メンバー全員で、日々ライブやレッスンを続けています」
――12月の野外ライブは寒そうですね。
福田「最近は特に寒い時期にやることが多くて。動いてると寒暖差で鼻水が出ちゃうんですよ(笑)。寒いだけなら大丈夫なんですけど、回転したりすると、わーって出ちゃうのでそこが心配です」
――体調管理も大切ですね。
福田「私が落ち込む時って、体調が悪くなっている時なんですよ。周りに迷惑をかけてしまうんじゃないかって思うと、自分がどんどんダメになっていくんです。そう思った時に、メンタルが崩れてしまって…。だからこそ、毎年新年のお参りでは『今年こそ健康でありますように』ってお願いするんです。今回のワンマンも万全な状態で挑めるように対策していきたいですね」
――これからの目標や夢があれば教えてください。
福田「終わりのないグループを目指したいです。メンバーと一緒に頑張っていきたいです」
――ファンの方も長く活動してくれることを願っていますよね。
福田「そうですね。だからこそ、自分自身も長く続けていけるように、メンタルも体もちゃんと整えて活動していきたいです。アイドルって、メンタル面や体調面で難しいことも多い。それぞれのアイドルが違う理由で辛さを感じていると思うんです。私の場合は体調が不安定だから、それが心配の種だったりします。でも、好きだからこそ続けたいし、頑張らなきゃって思いますね」