女子1000メートルでゴール後にタイムを確認する山田梨央(カメラ・林 直史)

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◆スピードスケート◇全日本距離別選手権 最終日(27日、長野市エムウェーブ)

 女子1000メートルで山田梨央(直富商事)は1分16秒44で3位だった。優勝した高木美帆(TOKIOインカラミ)と同走。600メートル通過まで食らいついたが、最後の1周で大きくタイムを落とし「自分の滑りに集中するところを意識していたけど、途中で焦って少し力を使いすぎてしまった。最後の1周は力が全く残らずにかなりペースを落としてしまった」と悔やんだ。

 今大会は1500メートル、500メートルも3位で3種目とも表彰台に立った。「3種目全てで表彰台に乗れたのは今までなかったこと。自信になるけど、内容はまだまだ。もう少しいいタイムを出したかったというのもあるので、かなり反省を感じています」と厳しく評価した。

 今夏、ショッキングなニュースを耳にした。18年平昌五輪金メダリストの小平奈緒さんの功績をたたえた「NAO ice OVAL」の愛称を持つ茅野市国際スケートセンターと、岡谷市やまびこ国際スケートセンター。長野県内2つのスケートリンクが存続の危機にあることを知った。

 「ショックというか、今まであまり考えてなかったところだった。今こうして自分がスケートをやっていられるのも、2つのリンクがあったからこそ。この大会に来るまで、自分にできることをすごく考えました。大会で結果を出して、少しでも力になれたら。信州スケート界を盛り上げていくことができたらという思いはありました。そういった意味でも、もっともっと良い結果を出せたらと反省しています」

 長野・諏訪市の出身。現在も長野を拠点に活動している。11月下旬にはW杯第1戦が6年ぶりに長野市エムウェーブで開催される。3種目で代表入りを果たした山田は「長野でW杯に出られるというのは本当にありがたい機会。そこでもしっかりいい結果を出して、長野や信州のスケート界をもっと盛り上げていける存在になれたらと思っています」。自身の原点のリンクへの応援の気持ちを込め、W杯に挑む。