優勝を決め、笑顔で記念撮影する富士大の選手たち

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◆大学野球◇明治神宮大会東北地区代表決定戦 ▽決勝 富士大2−1仙台大(27日・ヨークいわき)

 決勝で富士大(北東北優勝)が仙台大(仙台六優勝)に2―1で逆転勝利し、2年連続6度目の明治神宮大会(11月20日から6日間、神宮)出場を決めた。6回から登板したソフトバンク3位指名の安徳駿投手(4年=久留米商)が3回無失点で流れをつくり、9回に広島4位指名の4番・渡辺悠斗一塁手(4年=堀越)が決勝打。ドラフト指名を受けた選手たちがチームを救った。

 二塁ベース上から一塁側ベンチへ向け、富士大・渡辺悠が力強い雄たけびを上げて喜びを表した。1―1の9回2死一塁で内角直球をたたき、三塁線を破る決勝の適時二塁打だ。「この回で決めるぞ、と話していた。長打でしか(本塁に)かえってこられないので強く振りきった結果」と胸を張った。相手投手の前に5回まで走者を一人も出せずにいたが、終盤に攻略。この1点を守って明治神宮大会出場を決め、選手たちの手で胴上げされた安田慎太郎監督(39)は「オレが4番だ、というところを見せてくれた」とたたえた。

 試合の流れをグッと引き寄せたのは安徳の力投だった。0―1の6回からマウンドに上がり、3回を1安打無失点に「テンポよく投げて流れを持ってくることを意識した」。大量6選手が指名された24日のドラフト会議直後の大会で、メンタル面の調整が難しい可能性もあったが、「監督さんから、試合に(ドラフトの)感情を持ち込むなよと言われて切り替えました」。チーム全員が明治神宮大会切符をつかむことに集中し、粘り強い戦いぶりを見せた。目標の日本一へ、再びチーム一丸となり目の前の敵を倒しにいく。(有吉 広紀)