◆米大リーグ ワールドシリーズ第2戦 ドジャース―ヤンキース(26日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・山本由伸投手(26)が4戦先勝のワールドシリーズ(WS)第2戦、本拠地・ヤンキース戦に先発。6回1/3を1安打1失点と好投し、日本人投手では07年松坂大輔(Rソックス)以来となるWS初先発初勝利の権利を持って降板した。ベンチに戻る際は満員のファンからスタンディングオベーションが送られ、「ヨシコール」も起きた。

 17年ダルビッシュ有(ドジャース)も含めて日本人3人目という大役。しかも2戦目以内となると、同初のWS先発マウンドに上がった山本は初回。初球から97・8マイル(約157・4キロ)とアクセル全開。1番・トーレスに四球を与えたが、2番・ソトを遊ゴロに打ち取って1死二塁。ア・リーグ2冠の3番・ジャッジからは7球目のスライダーで空振り三振を奪い、リーグ優勝決定シリーズから4戦連発中の4番・スタントンは高めの直球で力ない一飛に仕留めた。初回に最速98マイル(約157・7キロ)を計測した。

 1点リードの3回2死まで無安打投球が続いていたが、2番・ソトに内角直球をうまく打たれ、右翼への同点ソロを献上した。しかし、右腕は崩れなかった。結局、打たれた安打はこの1本だけ。被弾の後は11者連続アウトを奪い、86球で2四球4奪三振と内容も抜群だった。6回2死からジャッジを空振り三振に斬ると、一回転しながら雄たけびをあげた。

 25日(同26日)の前日会見で山本は「僕にとっては初めてのワールドシリーズなので、楽しみな気持ちもありますし。ベストを出し切って少しでもチームに多く貢献できたら」と話していた。カーショー、グラスノーら特に先発陣に負傷者が続出し、チームの台所事情は苦しい。敵地に移動後の第4戦はブルペンデーが予定されており、山本には1イニングでも長く投げることが求められる中で期待に応える投球を披露した。

 メジャー1年目の今季、自身も右肩を痛めて6月中旬から約3か月戦列を離れた。「離脱している期間が長かった分、よりチームに貢献したい気持ちは強いです」と強い責任感を口にしている右腕。ポストシーズンは地区シリーズからこの日まで3試合で1勝0敗。防御率5・11だが、山本の登板試合は全てチームが勝利している。ヤンキース戦はレギュラーシーズンでも6月7日(同8日)に敵地で7回2安打無失点と快投したが、大舞台で再び翻弄した。

 17年前。当時ルーキーだった07年の松坂はロッキーズ相手に第3戦で先発し、5回1/3を3安打2失点、自ら2点適時打も放つ“二刀流”の活躍で白星を手にした。しかし、17年のダルビッシュはアストロズ相手に第3、7戦に先発したが、ともに2回途中KOで黒星を喫す悔しい結果となった。そして、山本は6回1/3を1安打1失点。3人の中でも最も長い回を投げ、最も少ない失点だった。