北朝鮮兵力ウクライナ戦投入目前か…韓国政府、段階別に対応レベル検討
北朝鮮兵力のウクライナ戦線投入が迫っているとの見通しが相次いで出ている。これを受け韓国政府も対応レベルを多角的に検討している。
ウクライナのゼレンスキー大統領は２５日、テレグラムを通じ「ロシアに派遣された北朝鮮軍が２７〜２８日に戦闘地域に投入されると予想する」と話した。
ウクライナ国防省情報総局は「すでに北朝鮮軍が２３日にロシア本土クルスクで目撃された」と主張している。
北朝鮮兵力のウクライナ戦線投入が迫るとの観測に対し韓国の金泰孝（キム・テヒョ）国家安保室第１次長は２２日、「北朝鮮の戦闘兵力派兵にともなう朝ロ軍事協力の進展推移に基づいて段階的に対応措置を実行していくだろう」と明らかにした。
段階別対応措置の具体的事項は公開されていない。ただ、大統領室高位関係者は聯合ニュースに「今後段階別シナリオを見て防衛用武器支援も考慮でき、その限度が行き過ぎだと考えられれば最後には攻撃用（武器）までも考慮できる」と説明した。
現在韓国はウクライナに人道的目的の非殺傷用軍需物資だけ支援している。米国や西欧などと違い韓国がウクライナに攻撃用武器を供給していない点にロシアのプーチン大統領が直接「とても感謝している」と明らかにするなど、ロシアが韓国の攻撃用武器支援を韓ロ関係の一種の「レッドライン」としてきたためだ。
しかし北朝鮮とロシアの密着が加速化している状況で地対空防空ミサイルなど防衛用武器、さらには敵の打撃が目的である攻撃用武器まで支援を考慮することもできるという意味と解釈される。
ただ韓国政府はこうした軍事的次元の直接的措置に先立ち外交的対応にまず着手するものとみられる。
実際に大統領室高位関係者は２５日に米ワシントンＤＣで行われた韓米日国家安保室長会議後に取材陣と会い、「朝ロ協力と関連し外交的次元で問題を提起し続けなければならない」と強調した。
同関係者は「国連安全保障理事会でできなければ国連総会でして、国連より規模は小さいが類似の立場の国、価値を共有する国同士システムを活用し問題を提起し続ければ、一度ですべて満足することはできないにしても（ロシアや北朝鮮には）制約になる」と明らかにした。他国と持続して連帯し朝ロを圧迫することが後続対応の第一歩になるだろうという趣旨だ。
ひとまず韓国政府は北朝鮮軍のロシア派兵関連情報の共有に向け代表団を北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）に派遣する方針だ。
国家情報院第１次長を団長とする代表団はベルギーのブリュッセルにあるＮＡＴＯ本部で北朝鮮軍の派兵動向をブリーフィングし、同時に欧州側の情報も入手する計画だ。
ユーラシア大陸の東側と西側で散発的にあふれる北朝鮮のロシア派兵と関連した各国の情報を集合して全体図を把握し効果的な対応策を立てるための席になると予想される。
韓国政府関係者は「北朝鮮の戦闘兵力派兵にともなう朝ロ軍事協力の進展推移により段階的対応措置を実行していく。どんなオプションも排除しないで検討していくだろう」と話した。
