7回無失点の好投をみせた有原(26日)=秋月正樹撮影

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 プロ野球の「SMBC日本シリーズ2024」が26日、横浜スタジアムで開幕し、第1戦はパ・リーグ覇者のソフトバンクが、セ・リーグ3位から進出したDeNAに5―3で勝利した。

 27日の第2戦も同球場で行われる。先発投手はDeNAが大貫、ソフトバンクがモイネロと発表された。

ソフトバンク5―3DeNA

 ソフトバンクは二回、投手の有原の適時打で先制。九回に今宮の2点二塁打などで3点を加えた。有原は投げても7回無失点。DeNAは九回に4安打を集めて3点を返す粘りを見せたが及ばなかった。

 初戦の先発マウンドを託されたソフトバンクの有原について、小久保監督は「1年を通しての働きで、ファンが認めるのがエース。今のチームにとっては、彼がそういうポジション」と言い切った。今季の開幕投手を務め、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ初戦の先発も任された右腕は、大一番でもエースらしかった。

 この日の活躍はマウンドだけではなかった。均衡を破る先制打を放ったのも、意外にも有原だった。DH(指名打者)制があるパ・リーグの投手にとっては、普段立つことがない打席だ。二回二死二、三塁から甲斐が申告敬遠されて満塁に。ここで、有原がジャクソンの直球を捉えると打球は右前へ。右翼手・梶原の打球処理のもたつきもあり、走者2人をかえした。

 「何とかしようという気持ちだけだった」と有原。チームメートはベンチから飛び出して喜び、普段は感情をあらわにしない有原も両腕を上げてガッツポーズで応えた。マウンドでは走者を背負っても、落ち着いた投球を披露。7回4安打無失点と責任を果たし、救援陣にバトンを渡した。

 DH制がないセ・リーグの本拠地で初戦を迎え、小久保監督は「(戦い方は)全然違う」と語っていた。右足首に不安を抱える首位打者の近藤は、守備を回避するためスタメンから外した。打線を組み直した中で、エースが投打で光を放ち、指揮官は「(今日は)有原に尽きる。100%、打たないと思っていたのでびっくりした」と喜んだ。「良い日になった」と振り返った有原の奮闘が、日本シリーズでのソフトバンクの連勝を13に伸ばした。(平島さおり)

◆DeNA・ジャクソンがシリーズタイ記録の5者連続奪三振

 26日の第1戦で、二回二死の柳田から四回先頭の栗原まで奪い、1994年の槙原寛己(巨人)以来、史上3人目の最多連続記録に並んだ。