阪神から1位指名を受けたNTT西日本・伊原

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 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」(24日、都内ホテル)

 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が24日、東京都内のホテルで開かれ、阪神はドラフト1位で伊原陵人投手(24)=NTT西日本=の交渉権を確定させた。4球団競合の末、関大・金丸夢斗投手(21)の抽選に敗れたが、最速149キロの直球を投球の軸とする即戦力左腕の指名に成功。伊原は智弁学園の2学年上の先輩である阪神・村上の背中を追いかけ、「開幕1軍」「智弁学園リレーの実現」を宣言した。

 登板後、喜びと驚きの瞬間を迎えた。伊原はこの日、JR東海との練習試合で先発し、5回6安打1失点4奪三振。その後、河本監督と藤原部長とともに中継を見守った。落ち着いた口調で、率直な思いを明かした。

 「一番はうれしいが大きいです。こんなにいい順位と思っていなかった。外れた時もこのタイミングで呼ばれると思ってなかった。驚きが大きいです」

 大商大時代はプロ志望届を提出したが名前は呼ばれず。「指名漏れが原動力になって野球を続けられた」。悔しさをバネにつかみとった1位指名だった。そして、あこがれの先輩とまた同じユニホームに袖を通すことになる。目標とする選手には、「正直いないんですけど…」と話しながらも、こう明かした。

 「阪神だったら村上先輩がいるので。高校の時も村上さんの背中を追いかけてというところがあったので」。村上は智弁学園の2学年上の先輩。伊原は、村上が16年春のセンバツでエースとして全国制覇した後に入学した。入部後は、キャッチボールで受けた村上の“豪球”から学んだ。「練習は黙々と一人でやる方がいい」という教えも見習ってきた。

 指名直後には村上から「なんでお前1位やねん!」と“愛のゲキ”LINE。「素直にうれしい」とはにかんだ。身長170センチと村上同様小柄な左腕だが、「体は大きくないけど、上から投げ下ろすフォームでバッターの視点は変えられる」と長所として捉えている。

 プロに入っても、村上先輩に追いつけ追い越せの精神で挑む。「コントロールは自分も持ち味。ストレート、変化球、タイミングを外すっていうところは村上さんを目指していきたい」。

 ドラフト会議後、藤川監督は先発起用を示唆。ただ、伊原は「先発でも中継ぎでも、できるのが持ち味」と話していた。村上が先発した後に投げ、抑える。“智弁学園リレー”も頭に浮かぶ。「そういう形もあっていいのかなと。まず投げられるように。自分の仕事ができれば投げる場所も確立してくるのかなと」。チームの同校出身には前川もいる。トリオでの活躍も果たしたい。

 最速149キロの直球を投球の軸とする左腕。藤川監督については「現役の時からずっと見ている。すごいストレートを投げるのが魅力。自分もストレートが鍵なので」と話し、“球児魂”ものぞかせた。そして頼もしい目標も掲げた。「即戦力として開幕1軍。目標は新人王。1年間走り抜けられるように」。期待の左腕が藤川阪神の重要なピースとなっていく。

 【伊原陵人(いはら たかと)アラカルト】

 ◆生まれ 2000年8月7日生まれ。奈良県橿原市出身

 ◆家族構成 両親、兄

 ◆サイズ 身長170センチ、体重77キロ

 ◆血液型 B

 ◆投打 左投げ左打ち。最速149キロ。球種はカットボール、スライダー、フォーク、カーブ、ツーシーム

 ◆球歴 晩成小1年から晩成フレンズで野球を始め、八木中では軟式野球部に所属。智弁学園では3年時にエースを務めてセンバツ3回戦に進出。大商大では1年春からリーグ戦に登板。中1の一年間は野球をやりたくなくて柔道部に入っていた

 ◆足 50メートル走6秒3

 ◆遠投 100メートル

 ◆趣味 アニメを見ること。戦闘系が好き

 ◆特技 人を笑わすことは好き

 ◆好きな芸能人 前は石原さとみが好きだった。大学では永野芽郁に