JR全線の普通列車が乗り放題になる「青春18きっぷ」が、リニューアルします。どう変わるのでしょうか。

3日間用が新登場

 JRグループは2024年10月24日、企画乗車券「青春18きっぷ」をリニューアルして発売すると発表しました。どのように変わるのでしょうか。


従来サイズの「青春18きっぷ」(画像:写真AC)。

●乗れる列車
 乗れる列車は変わりません。JR全線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT(バス高速輸送システム)、JR西日本宮島フェリーに乗れます。

●きっぷのサイズ
 小さくなります。これまできっぷのサイズは通常より横に長い120mmで、自動改札機は使えず有人改札を通る必要がありました。きっぷは5日(人)用で、1人で5回のほか、5人で日帰り旅行など、複数人同時利用も可能でした。リニューアル後は、きっぷは85mmに短くなり自動改札機に対応。その代わりに、複数人での同時利用はできなくなります。

●有効期間
 大きく変わります。これまでは5日(人)用のみで、購入時点で利用日を指定する必要がなく、日付を飛び飛びで使うことができました。「今週1日目を使って、来週天気が良ければ2日目を使う」といった“なりゆき”の使い方もできたのです。

 リニューアル後は、5日間用と3日間用の2種類を設定。いずれも購入時点で利用開始日を決めて、その日から連続で使うことになります。有効期間の最終日は、最終列車まで利用可能です。また、利用開始日の変更は、未使用に限り1回まで可能です。

●利用期間
 変わりません。昨シーズンは2023年12月10日〜2024年1月10日、今シーズンは2024年12月10日〜2025年1月10日で、日にちは同じです。

●値段
 これまでは5日(人)使えて1万2050円(2410円/日)でしたが、リニューアル後は、連続3日間1万円(3333円/日)か、連続5日間用1万2050円(2410円/日)の2種類に変わります。なお、大人と子供が同額であることは変わりません。

「北海道新幹線OP券」は区間拡大

「青春18きっぷ」を使っている人が本州〜北海道間を移動するときに便利な「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」も、リニューアルします。

●利用区間
 これまでは、北海道新幹線の奥津軽いまべつ〜木古内間と、道南いさりび鉄道の木古内〜五稜郭間を、1人片道1回使えました。しかし現在、奥津軽いまべつ駅に乗り換えられるJR在来線の津軽二股駅は、津軽線の大雨被災の影響で休止しており、バス代行輸送が続いています。

 リニューアル後は、北海道新幹線の「新青森」〜木古内間と、道南いさりび鉄道の木古内〜五稜郭間を、1人片道1回使えます。北海道新幹線の区間が拡大します。

●自動改札機
 これまで自動改札機は使えませんでしたが、リニューアル後は使えます。

●値段
 これまで2490円でしたが、利用区間の拡大にあわせて4500円に値上がりします。

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「青春18きっぷ」で旅行した際に、駅の有人改札が混雑していてなかなか通れない、そもそも有人改札が減って入出場が面倒だった……といった経験があったかもしれません。そのため今回の自動改札機対応は、改善といえるでしょう。しかし、購入時に利用開始日を指定し、その日から続けて利用する必要があること、そして複数人で利用できないことは、従来より使い勝手や自由度が低下したといえそうです。

 冬の「青春18きっぷ」と「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」は、これまで通り全国のJR主要駅や旅行代理店などで、11月26日から発売されます。