学生募集を停止した電動モビリティシステム専門職大の校舎(22日、飯豊町萩生で)

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 電気自動車や自動運転について専門的に学ぶ山形県飯豊町萩生の「電動モビリティシステム専門職大学」が、3期生となる2025年度の学生の募集を停止したことが明らかになった。

 同大が21日、ホームページで公表した。同大は23年4月に開学したが、学生の確保に苦戦していた。

 清水浩学長のメッセージや同大の説明によると、在学生は現在1年生1人、2年生3人の計4人。清水氏は募集停止について「志願状況が芳しくなかったことが一番の要因。広報活動の至らなさから、本学の認知度が全国の高校へ浸透しきれなかった」と説明した。

 同大の運営母体は仙台市の学校法人「赤門学院」。経営改善や他法人への承継を模索したが、有効な打開策が見いだせなかった。在学生が卒業するまで教育は継続し、希望する進路先への就職も支援するという。

 今期限りで退任する後藤幸平町長は、町内にリチウムイオン電池などの産業を集積する「電池バレー構想」を提唱。同大はその中核施設で、町は校舎などの整備費3億5000万円を補助し、土地は無償提供している。

 大学の廃止には文部科学相の認可が必要で、手続きは学生が全員卒業した後に行う。大学は校舎跡などの利用は白紙としている。