サム・グッドマンとの防衛戦発表会見で笑顔を見せる井上尚弥 (カメラ・堺 恒志)

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◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 統一王者・井上尚弥―IBF、WBO同級1位サム・グッドマン ▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・武居由樹―未定(12月24日、東京・有明アリーナ)

 大橋ジムは24日、世界4団体スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(大橋)がIBF、WBO世界同級1位サム・グッドマン(オーストラリア)とクリスマスイブに東京・有明アリーナで対戦すると発表した。尚弥は「今年を締めくくるという意味でインパクトある試合をしたい」と17年以来となる年3試合の締めくくりへ意気込んだ。勝てば世界戦24勝目。元世界3団体ミドル級(72・5キロ以下)王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)、世界3団体スーパーミドル級(76・2キロ以下)統一王者の”カネロ”ことサウル・アルバレス(メキシコ)と23勝で並んでいたが、現役単独最多となる。

 グッドマンは5月6日、東京ドームで世界4団体スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)がルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで下した一戦を生観戦。試合後にリング上で尚弥本人が「9月頃防衛戦をしたい」と”直接交渉”。グッドマンも「絶対やりましょう」と応えた。しかし、グッドマン陣営は7月に入っていたチャイノイ・ウォラウト(タイ)とのノンタイトル戦を優先。尚弥との世界戦を事実上”対戦回避”し、12月の対戦を希望した。

 そのため、陣営は交渉相手を変更し、9月にTJ・ドヘニー(アイルランド)と試合を行った。腰を痛めたドヘニーが棄権して7回TKOで快勝したが、尚弥は「消化不良」などと述べ、次戦でその思いも乗せた戦いをしたい意向を示していた。リング上での対面から7か月後にようやくグッドマンとの対戦が実現することになった。

 オンラインで会見に参加したグッドマンは「ワクワクしている。4団体統一チャンピオンになるのは夢」と思いを口にした。「ベルトを持ってオーストラリアに帰る」と自信たっぷりに語った。

 WBO世界バンタム級王者の武居も尚弥と同じ先月3日に初防衛戦を行い、激闘の末、比嘉大吾(志成)に判定勝ちした。左目上をカットするなど、激戦のダメージが心配されたが、再び尚弥が出場する興行で2度目の防衛戦に臨む。対戦相手は交渉中で、近日中に発表される予定。期待されるWBOアジアパシフィック・バンタム級王者の那須川天心(帝拳)との対戦について「何かで、もう少し待って欲しいというのを読んだんですが、早くやろうぜって感じです」と改めてラブコールを送った。

 そのほか、東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・ウエルター級(66・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦で統一王者の佐々木尽(八王子中屋)に元日本王者の坂井祥紀(横浜光)が挑戦する。日本スーパーフェザー級(58・9キロ以下)王者の奈良井翼(RK蒲田)とWBOアジアパシフィック同級王者の渡辺海(ライオンズ)が契約体重60キロ以下のノンタイル10回戦で激突。日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦で王者・下町俊貴(グリーンツダ)に同級13位・平野岬(三松スポーツが挑戦。WBOアジアパシフィック・ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦で王者の小林豪己(真正)と前日本王者の高田勇仁(ライオンズ)が対戦する。

 戦績は31歳の尚弥が28戦全勝(25KO),26歳のグッドマンが19戦全勝(8KO)。

 28歳の武居は10戦全勝(8KO)。

 23歳の佐々木18勝(17KO)1敗1分け、33歳の坂井は29勝(15KO)14敗3分け。

 24歳の奈良井が14勝(10KO)2敗、21歳の渡辺が13勝(7KO)1敗1分け。

 27歳の下町が19勝(12KO)1敗3分け、27歳の平野が11勝(5KO)1敗。

 25歳の小林が8勝(5KO)1敗、26歳の高田が15勝(6KO)8敗3分け。

 試合はLeminoで生配信される。