神奈川県警の和田薫本部長(資料写真)

 「犯罪に関わる前に通報や相談を」−。首都圏で相次ぐ強盗事件を受け、神奈川県警の和田薫本部長は23日の定例会見で、「闇バイト」に応募するなどした実行役らに向けて異例の呼びかけを行った。従わなければ危害を加えると脅されている実行役や家族への安全確保対策を講じることで、犯行を踏みとどまらせる狙いだ。

 交流サイト(SNS)で募っている闇バイトは、応募の際に運転免許証など個人情報の送信を求められ、応じれば相手に居住地を把握されてしまう。その後に強盗などに加担するよう指示され、従わなければ本人や家族に危害を加えると脅されることもあり、恐怖心から拒否できずに犯行に及ぶ実行役も多いという。

 そうした状況を踏まえ、県警は闇バイトに応募した若者らから相談を受けた場合、状況に応じて本人や家族の安全確保対策を講じるとし、和田本部長は「脅迫を受けていても、犯罪に加担することがあれば決して許されることではない。目先の利益を手に入れるために安易に犯罪に加担しないでほしい」と話している。