米フロリダ州の柑橘類、ハリケーン被害で収穫量が過去最低も

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Seher Dareen Marcelo Teixeira

[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米南部フロリダ州は、襲来したハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」による被害で、州の主力農産物であるオレンジなどの柑橘類の収穫量が過去最低に落ち込む公算が大きい。関連企業や農家の話で明らかになった。

フロリダ州は米国で最大の柑橘類産地であり、国内の飲料業界にジュース用オレンジを供給している。農家の大半は、ミルトンが直撃した州中南部で柑橘類を栽培している。

サプライチェーン(供給網)サービス会社、シーザーニコウは22日公表した報告書で、州の一部では収穫量が最大で40%減るとの推計を示した。

フロリダ大のクリストファー・ビンセント准教授(柑橘類生態生理学)は「暴風雨により大量のオレンジが落果した。過去数年の教訓を踏まえると、暴風雨に起因する落果は向こう2カ月ほど続くとみられる」と述べた。

ビンセント氏によると、少なくとも樹木の枝や林冠の部分は深刻な被害を受けなかった。暴風の速度が予想されたほど速くなく、2022年に襲ったハリケーン「イアン」の時ほど暴風が長くは続かなかったためだ。

ミルトンは州内の農産物や農業インフラに15億─25億ドルの被害をもたらしたと推計されている。