スポニチ

写真拡大

 ◇セCSファイナルステージ第6戦 DeNA3―2巨人(2024年10月21日 東京D)

 【森繁和 視点】6試合のうち4試合が1点差。息詰まる熱戦の最後は、DeNA打線が「圧力」で巨人を上回ったと思う。上位打線は元から強力だが、下位打線から上位につなぐ形ができた。6番・戸柱はシリーズを通じて好調。1番から7番に入った梶原も1安打1得点で、9回は先頭の8番・森敬が右前打で出塁した。犠打で得点圏に進めて上位打線へ。この形が最後に実を結んだ。

 巨人は、救援登板した菅野をリードした展開で投げさせたかった。先発・戸郷を4回2/3と早めに交代させたのも菅野がブルペンに控えていたからだろう。ただ、普段は先発の投手が試合の途中でマウンドに上がるのは難しいもの。菅野は気持ちも入っていたし、8回は3者凡退で抑えた。さらに回をまたいで9回も続投。ここで先頭を出塁させたことで、打線の圧力を正面から浴びる形になった。

 打線は吉川の不在が響いた。第4戦からは左手首骨折から復帰したばかりのヘルナンデスが5番に入ったが、今シリーズを通じて5番打者は18打数でノーヒット。その結果、この日は4番の岡本和が2度敬遠されて勝負を避けられた。

 日本シリーズ。ソフトバンクはDeNAの強力打線は嫌なはず。同日開催のワールドシリーズに負けない盛り上がりを期待したい。(スポニチ本紙評論家)