先発して力投する東洋大姫路・阪下

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 「秋季高校野球近畿大会・1回戦、東洋大姫路9−0龍谷大平安」(20日、ほっともっとフィールド神戸)

 1回戦3試合が行われ、東洋大姫路が龍谷大平安を9−0の七回コールドゲームで下した。プロ注目の阪下漣投手(2年)が7回4安打無失点で完投で8強入りに導いた。市和歌山は三田学園を1−0で退け、立命館宇治は奈良に4−1で勝ち初戦を突破した。

 早くも来秋のドラフト候補に挙がる東洋大姫路・阪下が、伝統校対決で実力を証明した。淡々と腕を振って龍谷大平安打線を寄せ付けず。試合後も涼しい顔で余裕を漂わせた。

 「6、7割で打たせていく感じでした」。カットボールを中心に投球を組み立て、7奪三振を記録。最速147キロの直球を持ちながらも器用に変化球も操った。この日は最速141キロで、阪神を含む7球団のスカウトが視察。巨人・岸スカウトは「バランスのいいフォームで空振りが取れるのも魅力。投げる体力がある。来年が楽しみな選手」と高評価した。

 8月の兵庫大会地区予選で帰塁の際に右手首を骨折。1カ月弱の間もボールが投げられなかった。体が使えない代わりに「一番上の世界でやっている人たちを参考にした」とプロの投手が投げる変化球の動画を見てイメージトレーニング。復帰後から精度が上がり、けがの功名で、この日の快投にもつながった。

 2019年に履正社を夏の甲子園優勝に導いた岡田龍生監督(63)にとって就任後、初の近畿大会出場。「ショックなのは古豪と書かれること。強豪校と言ってもらえるようにせなあかん」と指揮官は勝ってかぶとの緒を締めた。来春センバツ当確まであと1勝に迫り「一戦必勝でいきたい」と阪下。春切符をつかむのも通過点に過ぎない。

 ◆阪下 漣(さかした・れん)2007年7月5日生まれ、17歳。180センチ、77キロ。兵庫県西宮市出身。右投げ右打ち。投手。浜脇タイガースで野球を始め、浜脇中では西宮ボーイズに所属。東洋大姫路では1年春からベンチ入り。遠投100メートル。