「中東で最も有名な日本人サラリーマン」こと鷹鳥屋明さん(本人提供)

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 中東事情に精通し「中東で有名な日本人サラリーマン」として知られ、アルヒラルのサポーターでもある鷹鳥屋(たかとりや)明さん(39)=筑波大非常勤講師=が、スポーツ報知の取材に応じ、日本人にとってはなじみの薄いサウジアラビアについて解説した。

 Q 開催地のジッダはどういう町?

 A 「『紅海の花嫁』と呼ばれるサウジ西海岸の美しい港町です。メッカの聖地巡礼への玄関口として栄えた町で、世界中から多くの方が訪れます。人種、民族が交ざり合う、おもしろい町です。世界一の高さとなる『ジッダタワー』(28年完成予定、全長1008メートル)を建設中です」

 Q 日中は気温40度くらいになりますね。

 A 「海風により、湿度も高めです。港町なので、首都のリヤドみたいに高熱乾燥、日陰に入れば何とかなるというわけではありません。まとわりつくような、日本に近い暑さがあります」

 Q 国内のサッカー熱は?

 A 「サッカーは国技! 情熱はすごいです。もともと、熱の高いところに中東やアジアの中だけでなく、世界で戦えるチームになろうと、近年は力を入れています。C・ロナウドら海外のスター選手が続々と国内リーグに入り、レベルも上がりました。今、まさに伸びている国だと思います」

 Q なぜ、スター選手の加入が相次いだのか。

 A 「政府が全力でバックアップしているからです。政府系ファンドが強豪4クラブ(アルヒラル、アルナスル、アルイテハド、アルアハリ)を買収し、政府の管轄となりました。サッカーチームにファンド資金を投入する流れができました」

 Q 政府の狙いは?

 A 「サッカー大国への成長、国のブランディングでしょうか。C・ロナウドやネイマールが現地の民族衣装を着て、観光局のムービーに出演しています。34年にはW杯も開催される方針です。中東の中でも、サッカーへのお金のかけ方は頭一つ抜けています」

 Q ズバリ、勝敗予想を!

 A 「日本も強いですが…。2―1でサウジアラビアが勝つと考えております。サウジアラビアも間違いなく強いですよ。いい勝負になると思います」

 ◆鷹鳥屋 明(たかとりや・あきら)1985年3月26日、大分市生まれ。39歳。一般企業に勤めながら日本と中東を行き来し、外交イベント、ビジネスを通じてアラブ、中東世界に深く関わる。SNSではアラブ人約10万人からフォローされる。筑波大非常勤講師。2021年に著書「私はアラブの王様たちとどのように付き合っているのか?」(星海社新書)を発行。