囲み取材に出席した市川新之助(左)と市川團十郎

写真拡大

 歌舞伎俳優・市川團十郎(46)が9日、大阪・松竹座での「十月大歌舞伎」(10〜26日)を前に同所での囲み取材に長男・市川新之助(11)と出席。新之助にエールを送った。

 本公演は22年11月での歌舞伎座を皮切りに、2年間にわたって行われてきた襲名披露の締めくくり。この日は昼の部で「雷神不動北山櫻」を上演するにあたり、成田屋とゆかりの深い成田山の大阪別院より、襲名披露興行成就、ならびに大入叶を祈念した「御本尊不動明王出開帳 開白法要」も営まれた。

 「出開帳」を終えて囲み取材に応じた團十郎は「あしたから改めて、市川團十郎家の信念というようなことを、もう一度考え直して挑みたいと思いました」と意気込みを語った。夜の部では新之助と「連獅子」で共演する。新之助が「厳しいときもありましたけど、すごく丁寧に教えてくれて」と稽古について触れたことに対し、「教える側もきっちりと考えながらやらないと難しい時代。それを踏まえた上であえて厳しく稽古をつける。それが愛ということなんですよ」と時代に合わせた伝承の厳しさを語った。

 また、歌舞伎界の将来を担うであろう新之助に「彼もそういう風に教える時が来るし、次の世代に荷物を渡すときが来るでしょうから、『父がそう考えてやっていたんだな』という、時代の流れというもの感じられるような役者になってほしい」と親心をのぞかせた。