映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』より
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 先週末(10月4日〜10月6日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、ホアキン・フェニックス主演のDC映画『ジョーカー』の続編『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が首位デビューを果たした。しかし、興行収入は3,767万8,467ドル(約55億円)と、批評家のレビューが出回った後に下方修正された予想値5,000万ドル〜6,500万ドル(約73億円〜94億円)をも下回る苦しいスタートとなった。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル145円計算)

 5年前に公開された前作は、製作費5,500万ドル(約80億円)でオープニング興収9,620万2,337ドル(約139億円)。世界興収は驚異の10億7,895万8,629ドル(約1,564億円)で、今年8月に『デッドプール&ウルヴァリン』に抜かれるまでR指定映画史上最大のヒット作だった。前作でオスカーに輝いたホアキンに加え、レディー・ガガも出演する続編の製作費は2億ドル(約290億円)といわれており、宣伝費もかさんでいることを踏まえると、興収4億5,000万ドル(約653億円)を稼いでようやくトントンといったところだそう。現在までの世界興収は1億1,650万5,630ドル(約169億円)だ。

 特に前作『ジョーカー』のファンから否定的な意見が上がっており、シネマスコア社による出口調査に基づく観客評価は「D」。これは2015年のリブート版『ファンタスティック・フォー』の「C-」を抜いてアメコミ映画史上最低評価であり、今後の興行も茨の道となる可能性が高い。

 その一方、『ゴッドファーザー』シリーズなどのフランシス・フォード・コッポラ監督は、「彼(監督のトッド・フィリップス)は常に観客の一歩先を行き、彼らが期待することを決してしない」と本作の挑戦を高く評価。『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』がビジュアル面で参考にしたというコッポラ監督のミュージカル映画『ワン・フロム・ザ・ハート』(1982)も当時興行的に失敗するも近年再評価されてカルト作となっており、本作が同じ道を辿る可能性はあるだろう。

 そのほかの初登場組では、超常現象調査系YouTuber2人組による『サム・アンド・コルビー:ザ・レジェンズ・オブ・ザ・パラノーマル(原題) / Sam and Colby: The Legends of the Paranormal』が6位、スマッシュヒット作『ワンダー 君は太陽』に登場したいじめっ子ジュリアンとその祖母をフィーチャーした『ホワイトバード はじまりのワンダー』が8位デビューだった。(編集部・市川遥)

10月4日〜10月6日の全米ボックスオフィスラキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』
2(1)『野生の島のロズ』
3(2)『ビートルジュース ビートルジュース』
4(3)『トランスフォーマー/ONE』
5(5)『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』
6(初)『サム・アンド・コルビー:ザ・レジェンズ・オブ・ザ・パラノーマル(原題) / Sam and Colby: The Legends of the Paranormal』
7(7)『デッドプール&ウルヴァリン』
8(初)『ホワイトバード はじまりのワンダー』
9(11)『ザ・サブスタンス(原題) / The Substance』
10(6)『メガロポリス(原題) / Megalopolis』