9日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比291.68ポイント(1.39%)安の20635.11ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が110.04ポイント(1.47%)安の7373.63ポイントと続落した。売買代金は2418億1450万香港ドルとなっている(8日前場は3847億6540万香港ドル)。
 中国の景気懸念が重しとなる流れ。世界銀行は8日、最新の経済見通しを発表し、中国経済は足元の景気刺激策を受けても、2025年の経済成長は更に鈍化する恐れがあると警告した。資源相場の下落も逆風。8日のWTI原油先物は4.6%安と6日ぶりに反落し、ロンドン金属取引所(LME)では、アルミや銅など主要産品の先物価格が軒並み下げた。自律反発狙いの買いなどで指数は買い先行したものの、程なくマイナスに転じている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、政府系インベストメント会社の中国中信(267/HK)が7.9%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が7.3%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が6.1%安と下げが目立った。
 セクター別では、石油・石炭が安い。中国海洋石油(883/HK)が4.4%、中国石油化工(386/HK)が3.8%、中国石油天然気(857/HK)が3.5%、中国中煤能源(1898/HK)が5.4%、エン鉱能源集団(1171/HK)が4.6%ずつ下落した。
 非鉄セクターも売られる。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が7.1%安、中国宏橋集団(1378/HK)が5.6%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.1%安、江西銅業(358/HK)が4.7%安で引けた。
 ゼネコンや素材(セメントや鉄鋼)などインフラ建設セクターもさえない。中国中鉄(390/HK)が6.5%安、中国交通建設(1800/HK)が6.2%安、中国鉄建(1186/HK)が5.9%安、中国建材(3323/HK)が9.1%安、安徽海螺水泥(914/HK)が8.3%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が7.6%安、鞍鋼(347/HK)が6.4%安で前場取引を終えた。
 証券セクターにも売りが続く。第一上海投資(227/HK)が18.3%安、申万宏源集団(6806/HK)が14.2%安、中州証券(1375/HK)が12.9%安、東方証券(3958/HK)が9.7%安と値を下げた。
 一方、本土マーケットは11日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比5.30%安の3304.84ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。素材株、消費関連株、インフラ関連株、ハイテク株、金融株など幅広く売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)