福井エリアに「第二の北陸道」爆誕へ!? 「無料で信号ゼロ」で東尋坊も便利に!? 大渋滞まるごとスルーの「福井外環状道路」「丹南西縦貫道路」のスゴさとは
渋滞が課題の福井市街
新幹線が延伸開業し、全国的に注目を集める福井県。
その中でも、武生・鯖江・福井の都市圏を抱える嶺北エリアでは、国道8号・北陸道に代わる新たな高規格道路「福井外環状道路」「丹南西縦貫道路」の計画が進行中です。
実現すればどう便利になるのでしょうか。また計画はどこまで進んでいるのでしょうか。
これらは、国土交通省が2021年に策定した「新広域道路交通計画」に記載された調査路線で、信号ゼロの立体交差を基本とする「高規格道路」に区分されています。
【画像】超便利!? これが福井の「新しい高速道路」のルートです(30枚以上)
さらに2022年には国の「重要物流道路」の「候補路線」に指定され、事業化への機運が高まることとなりました。
まず福井外環状道路は、福井市街の大混雑を避けて、福井港から北陸道へアクセスできるようにする道路です。国道8号が福井市街を貫通していることもあり、生活交通と通過交通が完全に混在して、市街全体が渋滞箇所となるほど、混雑が課題となっています。
そこに巻き込まれるのが福井港からの輸送と、「テクノパーク福井」をはじめとする工業地帯の出荷・材料仕入れなどの交通です。追い打ちをかけるのが地域特有の大雪で、旧態依然とした生活道路は雪で大型車にとって通行困難となります。
そこで福井市街を丸ごと西側でバイパスするのが福井外環状道路です。同時に計画中の「福井港丸岡インター連絡道路」から南へ分岐し、県体育館付近を経て、大土呂付近で北陸道へ直結するルートです。
丹南西縦貫道路は、テクノパーク福井付近で福井外環状道路から分岐し、さらに南下していきます。今度は鯖江と武生の市街地までも西側にバイパスし、福井平野南端の王子保付近で北陸道へ直結するルートです。
これらが完成すれば、「唯一の南北軸」として平野部の交通がすべて集中していた国道8号の大混雑の緩和に期待がかかります。あわせて、三国エリアや東尋坊など、福井県内有数の観光名所を抱えながら「北陸道からのアクセスが異様に遠い」という海側地域も、「ほぼ信号ゼロ」で到達できるようになります。
さて気になる進捗ですが、まずは福井外環状道路を優先して事業化をめざす動きとなっています。
国土交通省は2024年度の見通しについて「国道8号福井都市圏(略)については、交通円滑化や幹線道路の機能強化等に係る調査を実施します」との記載。
あわせて地元である福井県も、ことし5月に「福井外環状道路整備促進期成同盟会」の総会を開催。機運の高まりを確認したとして、引き続き国へ要望を続けていくとしています。
一般的に、計画具体化の動きが明確になるというのは「計画段階評価」で「概略ルート」を検討する段階に達した時と言えるでしょう。最近の近畿エリアでは、滋賀県内の国道8号の「彦根〜東近江バイパス」や兵庫県の「播磨臨海地域道路」で計画段階評価が完了し、都市計画決定や環境アセスメントへ進んでいます。
なお、福井県では岐阜県へ直結する国道158号の高規格バイパス「大野油坂道路」が、全通に向けて最後の工区の工事中です。この「世紀の大プロジェクト」が一段落すれば、いよいよ福井外環状道路の動きも活発になるかもしれません。今後の動向に注目です。