強烈な残暑が収まりません。10月2日の静岡県内は各地で最高気温が30℃を超え、秋の気配が感じられない日々が続いています。長引く暑さは、秋の味覚にも深刻な影響を及ぼしているようです。

【写真を見る】異常な猛暑によって柿の木が「夏バテ」か 秋の味覚にも深刻な影響 各地で30℃超に 残暑が収まらず=静岡

専用の機械で薄く削られるかき氷。すでに10月なのにもかかわらず、この映像と音が心地よく感じられます。

<かき氷専門店「HIMURO」竹田要守オーナー>

「普通の氷じゃなくて天然の寒さで凍らせる天然氷です」

浜松市中央区のかき氷専門店「HIMURO」では、今週、暑さの影響で曇りがちだった先週に比べて、客足が5割ほど伸びています。

<かき氷専門店「HIMURO」竹田要守オーナー>

「暑ければ暑いほど、いつまでもお客様が見えて頂けるので良いと思いますけど」

かき氷店にとってはうれしい残暑ですが、異常な暑さは10月2日も静岡県内各地で観測されています。各地の最高気温は、三島で32.2℃、浜松で31.6℃、静岡で31.4℃を記録。静岡県内18の観測地点のうち13か所が30℃を超えて真夏日となりました。

夏から続くこの暑さは、これから旬を迎える秋の味覚に影響を及ぼしています。

<太田園 太田知宏さん>

「今年は去年に比べるとちょっと少ないかなと、7月の日照りでこういう贈答品にできない柿が増えた」

静岡県森町で長年、名物の次郎柿を栽培する「太田園」。毎年、収穫された次郎柿は、皇室に献上されている地元でも有名な柿農家です。いまは極早生の次郎柿が収穫の時期を迎えていますが、異常な猛暑によって柿の木が「夏バテ」を起こしているのではと話します。

<太田園 太田知宏さん>

「この9月、10月になって、かなり落葉が目立っているという印象です」

こちらの農園では2023年、猛暑に襲われて売り上げが半分以下になりました。2024年は様々な対応を施したものの、強烈な日差しによって葉が日焼けしたり、実が落ちたりする被害が出て、極早生の次郎柿のうち出来のいい贈答用の柿は、2023年に比べ、さらに2割ほど減っているそうです。

ただ、採れる実が少ない分、収穫された柿は栄養が行き渡り、抜群のおいしさに仕上がっています。次郎柿の本格的なシーズンは10月下旬から。収穫量を確保したいと太田さんは本格的な秋の到来を心待ちにしています。

<太田園 太田知宏さん>

「涼しくなってくれればな。一日でも早く肌寒いような日が来てくれればなと思っています」

静岡県内では6日頃まで、各地で最高気温が30℃を超えそうな見通しで、まだまだ暑さへの対策が必要とされそうです。