「消された」防衛省の「機密文書」!暴かれた「真実」に絶句…

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知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化していた日本

日本にとっての「最悪のシナリオ」とは?

政府による巧妙な「ウソ」とは一体…?

国際情勢が混迷を極める「いま」、知っておきたい日米安全保障の「衝撃の裏側」が、『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。

※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。

秘密裏に行われていた日米協議

米国は早い段階から、日本と協力してIAMDを推進していると公言していました。

米太平洋空軍司令部でIAMDを担当するケネス・ドーナーや太平洋IAMDセンターの所長を務めるウィリアム・ハートマンらが2015年に共同執筆したIAMDに関する論文は、「強固なIAMDアーキテクチャは、米国の重要な同盟国である日本の協力なしには実現することはできない。したがって、米太平洋空軍は、日本との野心的かつ記念碑的なIAMDの試みをリードし続けている」と記しています。

実際、防衛省はまだ「総合防空ミサイル防衛」と呼んでいた時代から、米軍とIAMDの運用に関する協議を秘密裏に行っていました。

その一つが、2018年に防衛省統合幕僚監部と米軍の間で行われた「IAMD−OIS−WG」と名付けられた協議です。

削除された機密文書

防衛省はこのワーキンググループ(WG)の存在を公表しませんでしたが、私は同省への情報公開請求で関連文書を入手しました。

文書は行政文書の中で機密レベルが最も高い「特定秘密」に指定され、タイトルの一部以外はすべてが黒塗りされていました。そのため協議の具体的な中身は不明ですが、2018年の時点で日米の間でIAMDに関する運用協議が秘密裏に行われていた事実が判明しました。

私がこの文書の存在を知ったのは、オンラインで日本政府が保有する行政文書の検索を行うことができるウェブサイト(「e-Gov」の行政文書ファイル管理簿)上でした。「IAMD」で検索をかけたところ、引っ掛かったのです。

行政文書ファイル管理簿にこのワーキンググループの情報を載せたのは、おそらく防衛省のミスだと思います。本来は、ワーキンググループの存在も秘密だったはずです。その後、ワーキンググループに関する記述は削除され、現在は同サイトで検索をかけても出てきません。

日米豪でIAMDの「実験」

米陸軍は2024年3月、ハワイの米軍太平洋IAMDセンターで実施された米国、日本、オーストラリアのIAMD専門家による「多国間IAMD実験(MIX)24」のニュース記事を公式ウェブサイトに掲載しました。

記事によると、この実験には3ヵ国から50人以上が参加し、「西太平洋全域で中国の航空・ミサイル攻撃から防衛し、撃破するための10年間の将来構想を実験した」といいます。

具体的には、西太平洋を「北部」「中部」「南部」のエリアに分け、三つの連合任務部隊(CTF)を編制。いずれのCTFにも3ヵ国の部隊が組み込まれ、北部では自衛隊、中部では米軍、南部では豪軍が作戦を主導しました。

実験の中心的なコンセプトの一つは、3ヵ国がそれぞれのセンサーで収集した情報を共有し、中国の航空機やミサイルによる脅威への対応をシームレスに調整できるようにする「オープン・ネットワーク・アーキテクチャ」の採用でした。

記事の中で、米陸軍第九十四防空ミサイル防衛司令官のコステロ准将は次のように述べています。

「センサーとシューターのネットワーク化されたシステムを通じて、共に彼ら(中国)の航空・ミサイル攻撃を防ぎ、撃破することは私たちの責任である。私たちは共に、情報とインテリジェンスの共有への障壁を減らさなくてはならない」

通常、各国の軍隊はクローズドのネットワーク・システムを独自に構築し、情報共有や指揮・統制を行っています。これを互いに連結し、多国間で情報共有も指揮・統制も一元的に行えるようなオープン・ネットワーク・アーキテクチャを構築しようとしているのです。

この「実験」の翌月に開かれた日米首脳会談で、日米豪3ヵ国で「ネットワーク化された防空面におけるアーキテクチャ」を構築していくビジョンが正式に発表されました。

すでに述べたように、米インド太平洋軍は最終的に「(AIを活用した自動化も可能な)統合IAMD戦闘管理・交戦調整システム」(IAMDビジョン2028)の構築を目指しています。

この巨大なシステムをトップで運用するのは、米インド太平洋軍の「地域防空司令官」(米太平洋空軍司令官)です。自衛隊や豪軍のIAMD関連部隊は、事実上その指揮・統制下に組み込まれて動くことになるでしょう。

>>つづく「吉田茂が米国と交わした「約束」の正体に驚愕!強硬姿勢崩さぬ米軍に最後は…」では、指揮権をめぐる日米間の「密約」について詳しく見ていきます。

吉田茂が米国と交わした「約束」の正体に驚愕!強硬姿勢崩さぬ米軍に最後は…