◆米大リーグ ドジャース―ロッキーズ(20日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が20日(日本時間21日)、本拠地・ロッキーズ戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、2打席連続弾の期待がかかった1点リードの7回1死二塁の4打席目は一塁への内野安打で3安打目を放った。さらに二盗も決めて「52本塁打&52盗塁」となった。

 6打席連続安打、3打席連続本塁打を継続してプレーボールを迎えた一戦。試合をまたいで7打席連続安打、4打席連続本塁打にも期待がかかっていた。ロッキーズの先発は左腕のフリーランド。昨年6月23日(同24日)に対戦した際には、右中間への二塁打、中飛、右中間へのソロ本塁打と、3打数2安打だった。いずれも打球速度は100マイル(約161キロ)を超え、芯で捉えた打球だった。

 1回裏先頭の1打席目。1回表が終わると、大型ビジョンには大谷のメジャー史上初となる「50―50」の偉業を祝福する特別映像が流されて、全本塁打、全盗塁が紹介された。本拠地は総立ちとなり、ドジャースナインもベンチの前に出て拍手を送ると、打席に入る直前の大谷は右手を上げて声援に応えた。MVPコールも巻き起こったが、空振り三振に倒れて、試合をまたいでの4打席連続本塁打、7打席連続安打はならなかった。

 1点を追う3回2死走者なしの2打席目は、フルカウントから6球目の低めのスライダーをはじき返して中前安打。4試合連続の安打とした。一塁走者として出たが、二盗は出来ずにベッツが二飛に倒れた。

 圧巻のアーチが出たのは1点を追う5回2死二塁の3打席目。フルカウントから見逃せば確実にボールだった高めの92・1マイル(約148・2キロ)直球を捉えると、中堅バックスクリーンやや左にぶち込んだ。打球速度は110・1マイル(約177・2キロ)、打球角度27度で、飛距離は427フィート(約130メートル)。ネクストバッターズサークルのベッツも驚きを隠せない悪球打ちで一時逆転となる一打となった。1点リードの7回1死二塁の4打席目は一塁への内野安打。2戦連続の3安打以上で、2試合で9安打の荒稼ぎとなった。

 前日19日(同20日)の敵地・マーリンズ戦は歴史に残る大活躍だった。試合前は「48発&49盗塁」だったが、自己最多を更新する3本塁打、6安打、10打点の大暴れ。2盗塁も決めた。史上初の「50―50」を達成しただけでなく「51―51」まで数字を伸ばした。チームは20―4で大勝して、12年連続となるプレーオフ進出も決定。試合後にはグラスに入ったシャンパンで乾杯して控えめに喜びを分かち合うと、東海岸のマイアミから、西海岸の本拠地・ロサンゼルスまで3700キロ以上の距離を移動した。

 ドジャースは、プレーオフ進出を決め、地区優勝へのマジックを「6」としているが、この日の試合で敗れて、パドレスが勝つとマジックが消滅する。