「彼を必要しないチームでの50-50なんて」大谷翔平よりも“人間性が上”だから? NYラジオ局司会者がMVP論争で異論「敬意を払うべきだ」
リンドーアと大谷の一騎打ちの様相を呈している今季のMVP争い。(C)Getty Images
MVPの行方は、“人間性”にまで波及している。
もはや毎年の“恒例”とも言えるが、今年も大谷翔平(ドジャース)のMVP受賞がふさわしいか否かが議論百出の事態となっている。目下、論争の渦中にいるのは、メッツの遊撃手フランシスコ・リンドーアだ。
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無論、大谷に「資格がない」とは言い難い。ドジャース移籍1年目の今季は右肘側副靭帯損傷のリハビリにより「打者専任」となっているが、現地時間9月12日時点で打率.292、47本塁打、104打点、48盗塁、OPS.992のハイアベレージを記録。前人未到の「シーズン50本塁打・50盗塁」を目前する驚異的な活躍を見せている。
前人未到の偉業を果たせば、インパクトは十分。フルタイムの指名打者で守備が免除されているとはいえ、その“価値”は評価されて然るべきだろう。
一方でリンドーアも成績は上々だ。12日時点で打率こそ.268ながら31本塁打、85打点、27盗塁、OPS.832と好成績をマーク。さらに彼は遊撃手として全試合出場を続けており、守りでも貢献を図っている。
近年のMVP投票で重要な指標となっているWARも両者は僅差(bWARは大谷が7.4、リンドーアが6.4。fWARは大谷が7.0、リンドーアが7.3)だ。ゆえに識者の間でも様々な意見が日々飛び交っているわけだが、リンドーアを推挙する者から、その人間性を評価すべきという“異論”も投げかけられている。
ニューヨークに拠点を構えるラジオ局『WFAN 660』のホストを務めるキース・マクファーソン氏も「リンドーアは間違いなくふさわしい選手だ。勝負強さや存在感のある選手が一枚上手であることは理解しているが、彼にも敬意を払うべきだ」と指摘。そしてMVPは「リンドーアが獲るべきだ」と断言している。
「リンドーアはただ数字を残しているだけじゃない。チームリーダーであり、稀有なキャプテン。彼はチームを背負っているんだよ。ショウヘイ・オオタニが、彼を必要しないようなチームで50本塁打、50盗塁を達成したことなど、僕らは大して気に留めない。彼(大谷)は、ウォリアーズに行くKD(ケビン・デュラント)だ。リンドーアはメッツのすべてなんだ」
あらぬ方向にも議論が波及している今季のMVP。果たして、最終的に選出されるのは、いったい誰になるだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]