「夫の浮気も嫁いびりも平気なの♡」【仏のような先輩】かと思いきや → その執念深さに背筋が凍った話

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世の中には、仏のように心が広い人もいるものです。私の職場にも、仏のように温厚な先輩女性がいて、尊敬していました。ところがあるとき、先輩の裏の顔を見てしまいゾッ! 先輩が漏らした恐怖の言葉とは──?

仏のような心の持ち主の先輩

私の職場には、仏のような心の持ち主の先輩がいました。
穏やかな性格で、私が仕事でミスをしたときも感情のまま怒ったりせず、「大丈夫、次に同じミスをしなければいいから」と笑顔で許してくれます。

優しい先輩になつく後輩は多く、私もその中の一人。
甘えたり、相談して頼ったりと、慕っていました。

先輩はプライベートでも仏の対応

仕事とプライベートで態度が変わる人もいますが、先輩はプライベートでも「仏」でした。
先輩の夫が浮気したときも怒りをぶつけることなく、「悲しいから、もうしないでね」と、笑顔で許したそうです。

姑から嫁いびりをされたときも、仏の対応をとりました。
嫌味を言ってくる姑に対し、「そんなことを言わないでください。悲しくなっちゃいますから」と、柔らかい口調でたしなめただけ。言い返すことはしなかったそうです。

普通なら相手を怒ったり責めたりしたくなるけれど、先輩はそんな態度をとりません。
その寛容さは、まさしく仏。
私は「こんな人が本当に存在するんだ」と、感心していました。

先輩が寛大な対応をとっている理由とは?

私は先輩に、「なんでそんなに寛大になれるんですか?」と尋ねたことがあります。
この質問に先輩は、次のように回答してくれました。
「“石の上にも3年”ってことわざがあるでしょ? 私も3年は見守ることにしているの」

“石の上にも3年”とは、「辛抱強く我慢すれば、最後には成功する」という意味のことわざです。
「3年」という年月は例えですが、短い期間ではありませんよね。
私は『3年かぁ。辛抱期間は長いなぁ』と思ったけれど、ふとある疑問を抱きました。
「3年見守ったあとはどうなるの?」と。

さらに詳しく先輩に話を聞くと、予想だにしていない言葉が飛び出してきました。

3年経過後はどうなる?

先輩は嫌なことをされると、賞味期限が3年のレトルト食品を買ってきて保存しているのだとか。
レトルト食品の賞味期限は約3年。嫌なことをしてきた相手の見守り期間も、同じく約3年。
3年間相手を見守り、その後「この人はだめだ」と見限ったときは、レトルト食品を食べてスパッと縁切りをしているのだそうです。

つまり、3年の間で相手の態度が改善すれば関係継続ですが、改善されない場合はサヨウナラ。
先輩はいつも「いいよ」と言って許してくれていますが、それは「いいよ(今だけね。3年間見守って最終判断するからね)」という意味だったのです。

レトルト食品を買う時期と賞味期限は毎回異なるため、厳密に3年間のカウントはできません。
ざっくりと3年をカウントして、「そろそろ結論を出すか」と、縁切りか関係続行かを決めているようです。

先輩は許しているように見えて、全然許していなかった!
しかも3年間も引きずっている……!
嫌なことがあるたびにレトルト食品を買っているということは、先輩の家には大量のストックがありそうですよね。
異様な光景ですが、家族には「災害時のために多めにストックしてるの♡ みんなの分もあるから、安心してね!」とか言っているのでしょうか……。

先輩の執念深さに、すっかりビビッてしまった私。
寛大に見える人ほど気を付けないといけない、と学ばせてもらいました。
そもそも、レトルト食品の賞味期限は商品によって異なり、1年や2年の商品もあります。
わざわざ3年のものを選んで買っているなら、それも含めて相当怖い……。
先輩の闇の深さにゾッとしてしまいました。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2023年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。