レッドソックス・吉田正尚(C)Getty Images

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メジャー2年目にして、初めてIL(負傷者リスト)入りするなど、前半戦は打率.260と打撃不振に陥ったレッドソックスの吉田正尚外野手が、後半戦に入り本来の打撃を取り戻している。
その好調を裏付ける傾向が、2つのデータに現れていた。

■“三振しない打者”が復活

前半戦は打率.260と苦戦したが、後半戦に限ると打率は.336と好調。8月27日(日本時間28日)時点で、100打席以上でア・リーグ4位の打率となっている。トップ3は.415のブレディミール・ゲレーロJr.内野手(ブルージェイズ)、.408のボビー・ウイットJr.内野手(ロイヤルズ)、そして.407のアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)と、MVPを争っている絶好調の選手に次ぐ成績ということからも、その好調ぶりが分かるだろう。
吉田はオリックス時代、2年連続で首位打者を獲得した2020、21年に12球団トップの三振率5.9%、5.7%という驚異的な数字を記録し、“三振しない打者”としても知られた。メジャー1年目は14.0%で、キャリアではプロ入り最低だったが、決して悪い数字ではなく、リーグ10位の好成績だった。
2年目の2024年、前半戦は14.7%と振るわなかったが、後半戦は11.3%と改善。これは100打席以上でリーグ8位。141打席で16三振は同7位タイと、三振を減らすことが打率の上昇につながっている。三振と四球による算出されるBB/Kも0.81で同9位と、空振りをしないだけでなく、選球眼にも優れている点も数字が証明しているだろう。

■得点貢献度も劇的に向上

また、1打席あたりどれだけチームの得点増加に貢献したかを示す指標wOBA(得点貢献度)も見逃せないデータだ。前半戦.310だったwOBAが、後半戦は.402と一気にアップしリーグ8位に。トップ10に食い込んだ。
このwOBAに並んで、平均的な打者を100として、打席当たりの得点創出の多さを示すWRC+でも、同8位の159をマークするなど、吉田はチームの勝利にも貢献している。
27日(同28日)のブルージェイズ戦で4試合連続安打を記録した吉田。8月13日(同14日)からは7試合連続安打を記録し、その間は打率.632を記録するなど、波に乗ると止まらない打撃を披露する吉田が、再びの大活躍でチームをポストシーズン進出に導くか。レギュラーシーズンは残り約1カ月、好調吉田の打撃からも目が離せない。