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名優ジョージ・クルーニーには、“共演NG”を公言している有名映画監督がいる。『アメリカン・ハッスル』(2010)や『ザ・ファイター』(2010)、近年は『アムステルダム』(2022)を手がけたデヴィッド・O・ラッセルだ。ふたりは『スリー・キングス』(1999)でともに仕事をし、撮影現場で大喧嘩をし、決定的な不仲となった。

それから四半世紀が経った今、クルーニーはラッセルのことをどう考えているのか。

英にて、『ウルフズ』で共演したブラッド・ピットとともにインタビューを受けたクルーニーは、ピットが口にした「時間配分」という言葉に触れて、「年を取れば取るほど、時間配分が変わってくるんです」と話した。自身の年齢やキャリアと、映画づくりに費やせる時間との関係の変化である。

「人生のうち、5ヶ月という時間は長いんですよ。だから、“『スリー・キングス』のような素晴らしい映画に出よう、デヴィッド・O・ラッセルのような惨めなクソ野郎によって地獄に落とされるような思いをしよう、クルー全員の人生を地獄に落とそう”とは思いません。ただ良い作品を作るためだけにそんなことをする価値はないんです、今の時点ではね」

注目すべきは、クルーニーが「今の時点では」と付け加えていることだ。『スリー・キングス』に出演した当時、クルーニーはテレビドラマ「ER 緊急救命室」から映画俳優への転身を図っているさなかで、ラッセルの脚本に惚れこみ出演を熱望。製作費の事情から出演料を大幅に減額したうえで、「ER 緊急救命室」と並行して『スリー・キングス』の撮影に参加したのだ。ところがその結果、両者の間には大きな亀裂が生じた。

2005年、米の取材にて、クルーニーはラッセルについて「手に負えない部分があった」と証言している。「彼は傷つきやすく利己的で、それが怒鳴り声に現れていた」と。撮影中には3度にわたる大喧嘩をし、最後にはラッセルがエキストラに怒鳴る姿を目撃したクルーニーが、その現場に介入したところ、怒りの矛先がクルーニーに向かい、二人は怒鳴り合いになったという。

今から19年前の当時、クルーニーはすでに「デヴィッドと再び仕事をすることは絶対にない。しかし、彼にすさまじい才能があるか、彼がアカデミー賞候補にふさわしいかと聞かれれば、それはそうだと思う」と答えていた。

『スリー・キングス』は湾岸戦争の終結直後、イラクが隠した金塊の強奪に挑んだアメリカ兵たちを描いた戦争ブラック・コメディ。マーク・ウォールバーグ、アイス・キューブ、スパイク・ジョーンズらが共演し、映画ファンの間では現在も熱狂的な人気を得ている。クルーニーも映画の出来栄えに満足し、ラッセルの手腕も認めているが、「二度と仕事はともにしない」という意志だけは変わらないようだ。

なお、ラッセルの撮影現場での不適切な言動は他の作品でもしばしば報告されているが、現時点での最新作『アムステルダム』では、特に大きな問題は生じなかったという。

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