Windowsを使っていると「『ipconfig』を実行してネットワーク情報を表示し、コピペして記録したり報告したりする」といったように「コマンドの出力結果をコピペする」という操作が必要になることがあります。そんな時は「clip」というコマンドを使えばサクッとコピペ可能です。

clip | Microsoft Learn

https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/administration/windows-commands/clip

Tip of the week: Use clip to pipe the output of your command to the clipboard
byu/jenmsft inWindows11


「clip」コマンドは「他のコマンドの出力をクリップボードに保存する」と「指定したファイルの内容をクリップボードに保存する」という機能を備えています。今回は前者の機能を実際に使ってみます。なお、Windowsに標準搭載されているPowerShellでclipを使うと文字化けが発生するので、コマンドプロンプトでの利用を推奨します。

まず、WindowsキーとRキーを同時押しして「ファイル名を指定して実行」ダイアログを起動し、「cmd」と入力して「OK」をクリック。



コマンドプロンプトが起動したらコマンドを入力してEnterキーを押して実行します。今回は「ネットワーク情報をクリップボードに保存」という操作を実行したいので「ipconfig | clip」と入力してEnterキーを押しました。なお、日本語キーボードの場合、「|」はShiftキーと¥キーの同時押しで入力可能。また、「ipconfig」「|」「clip」の間には半角スペースが入ります。



コマンドを実行すると一瞬で処理が終了します。これで、ネットワーク情報がクリップボードに保存されました。



後は、メモ帳やウェブ入力フォームなどにネットワーク情報をペーストすればOK。試しに、メモ帳を起動して右クリックメニュー内の「貼り付け」をクリック。



すると、クリップボードに保存されていたネットワーク情報がメモ帳に入力されました。clipを使うことで「コマンドプロンプトに表示されたネットワーク情報を選択してコピー」という操作を省略できるというわけです。



もちろん、clipはipconfig以外のコマンドでも機能します。試しに「systeminfo | clip」というコマンドを実行。



システム情報をコピーできました。



さらに、「○○というコマンドの出力をクリップボードに保存する」というコマンドをショートカットに登録すれば、「ショートカットをダブルクリックするだけで目的の情報をコピーする」という動作を実現できます。試しに「ダブルクリックするだけでネットワーク情報をコピーできるショートカット」を作ってみます。

まず、デスクトップを右クリックして「新規作成」をクリックしてから「ショートカット」をクリック。



「項目の場所を入力してください」と表示された入力欄に「C:\Windows\System32\cmd.exe /c ipconfig | clip」を入力して「次へ」をクリック。



ショートカットに名前を付けて「完了」をクリック。これでショートカットの作成は完了です。



後は、ショートカットをクリックするだけでネットワーク情報をコピー可能です。ショートカットのコマンドを部分を書き換えれば他の情報をコピーすることも可能。例えば、「C:\Windows\System32\cmd.exe /c echo test@test.net | clip」というコマンドを登録して「ダブルクリックするだけでメールアドレスをコピー」という動作を実現することもできます。