移籍金6億円の支払いを要求される?不同意性交容疑で逮捕の佐野海舟容疑者が負った「大きすぎる代償」

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前代未聞のスキャンダルによって、日本サッカー界に激震が走った。サッカー日本代表MFの佐野海舟容疑者(23)が不同意性交の容疑で17日に逮捕された。テレビ朝日などの報道によると、本人は容疑を認める供述をしているという。今月4日に、所属していたJ1『鹿島アントラーズ』からドイツ・ブンデスリーガの『マインツ』へ4年契約で完全移籍することが決まっていた。

「実はこの日、担当記者と佐野の間でドイツへの移籍に向けたZoomによるオンライン取材が予定されていました。それが急遽(7月16日の午前)、佐野のマネジメント事務所からキャンセルさせてくださいというメールが来ました。まさか、性的暴行で逮捕なんて……」(サッカー専門誌記者)

佐野容疑者にとって今回の欧州移籍がまさにステップアップの第1歩だった。9月に開幕するW杯アジア最終予選に向けても日本代表の招集メンバーとしてリストアップされていた。

「それも日本代表の森保監督(一・55)の“推しメン”の1人でした。多くのサッカー関係者からは『ポイチ(森保監督)の若いころにそっくりだ』という声が上がっていました。特に、ボール奪取力は今の代表の中でもトップクラスに評価されているボランチです」(別の担当記者)

佐野容疑者は移籍先のマインツで背番号は「6」が予定されていて、欧州主要リーグで久々の主力扱いでの移籍だった。

「逮捕の報道が出て、直前まで佐野が所属していた鹿島はいち早くコメントを発表しました。『佐野の移籍が完了しているが、元所属選手についての事案であるため、クラブとして大変憂慮している。今後の状況を注視したい』という内容でした。佐野は鹿島との契約が2年半残っていたこともあり、鹿島とマインツとの間で400万ユーロ(約6億円)という移籍金が発生しています。ただ、佐野が逮捕されたことで移籍が成立しなかった場合、移籍金が宙ぶらりんになる可能性があるんです」(夕刊紙記者)

移籍金とは、クラブ間で選手の移籍が成立した場合、所属元のクラブに対して、移籍先のクラブが支払う金だ。鹿島とマインツの間の契約は守秘義務もあり詳細は明らかになってはいないが、あるJクラブのフロントはこう明かす。

「契約が成立しているなら移籍金の支払いの段取りも決められているはずです。ただし今回は『佐野が逮捕される』という前代未聞の不祥事が起きた。そうなると、マインツ側は契約の不履行を訴えて鹿島に移籍金を払わない可能性もある。本来受け取れる移籍金を鹿島は受け取れないわけですから、佐野に対して鹿島が『移籍金を肩代わりして支払え!』ということもあり得る。さらに佐野はマインツからも違約金を求められる可能性があります」

佐野容疑者は鳥取・米子北高から’19年に当時J2のカテゴリーにいた町田に入団した。高校生選手としての実力は「Aクラスで即戦力」と、多くのJ1クラブもリストアップしていたという。そこには“ある噂”があった。別のJ1クラブの関係者が囁く。

「高校時代にピッチを離れたところでの素行の悪さを気にして、獲得を見送るクラブがあったようです。それでも町田のフロントは佐野の獲得が決まった時に『すごい掘り出し物が獲得できた』と喜んでいた、と聞きました。私も高校時代の佐野を見て、必ずJ1で戦力になると思っていました」

日本代表では1月にも、アジア杯・カタール大会でMF伊東純也(31)に性加害疑惑の報道があり、その影響でチームを離脱。チームも優勝を逃した。佐野容疑者はこの時、代表メンバーとして帯同していた。

「伊東は大会期間中にチームを離脱。さらに、一部のスポンサーが、伊東を含めた日本代表選手が登場する広告を取り下げるなどの事態に発展しました。ただ、その伊東も逮捕まではされていない。当時、日本代表の一員だった佐野はこのような問題を起こしたらどういうことになるのか、一部始終を見ていたわけですから問題の根は深い。今回、佐野がクロと判定されてしまえば、今後、サッカー選手でいられるかどうかもわかりません」(前出の夕刊紙記者)

佐野が払うことになる代償はあまりにも大きい。