大容量のバッテリーを備えたポータブル電源は災害時の緊急用途やアウトドアなどのレジャー用途に役立ちますが、種類が多いため「ポータブル電源が欲しいけど、どれを選べばいいのか分からない」と迷っている人も多いはず。Jackeryから新発売された「Jackery ポータブル電源 1000 New」は、旧世代モデルの「Jackery ポータブル電源 1000」や「Jackery ポータブル電源 1000 Pro」と比べて小型軽量なボディに1070Whもの大容量バッテリーを搭載しており、「最大出力1500W」「1時間でフル充電可能」「騒音を抑えるモードを搭載」「ソーラーパネルで充電可能」「UPS(無停電電源装置)としても使える」といった機能盛りだくさんな新定番ポータブル電源に仕上がっているとのこと。そんな「Jackery ポータブル電源 1000 New」に触る機会を得られたので、性能を細かくチェックしてみました。

Amazon.co.jp: Jackery: Jackery 1000

https://www.amazon.co.jp/stores/page/A71B6E2F-5344-4FAB-A1E5-7E3213393F66



・目次

◆1:外観チェック&旧モデルとの比較

◆2:AC出力の性能を検証

◆3:USBポートの対応規格をチェック

◆4:UPSとして使えるか検証

◆5:専用アプリのインストール&接続方法

◆6:緊急充電モードで1時間以内にフル充電

◆7:静かな充電モードもあり

◆8:ソーラーパネルでの充電も可能

◆9:まとめ

◆1:外観チェック&旧モデルとの比較

「Jackery ポータブル電源 1000 New」の外箱はこんな感じ。



箱の中には「Jackery ポータブル電源 1000 New」本体、取扱説明書、保証サービスについての説明書、電源ケーブルが入っていました。



「Jackery ポータブル電源 1000 New」本体が以下。



正面にはシガーソケット出力、ディスプレイ、LEDライト、最大出力30WのUSB-Cポート、最大出力100WのUSB-Cポート、最大出力18WのUSB-Aポート、AC出力ポート×3が搭載されています。



ディスプレイには無線接続状況、出力電圧、出力周波数、入力電力、満充電までの残り時間、バッテリー残量、出力電力、バッテリー切れまでの残り時間が表示されます。



LEDライトはかなり明るめ。



背面には出力規格などを示すラベルが貼られています。



ラベルの表示内容はこんな感じ。



左側面には通風孔。



右側面には通風孔とAC入力ポート、DC入力ポートが搭載されています。AC入力ポートの配置を従来の背面から側面に変更することで収納しやすさがアップしたとのこと。



天面には折りたたみ式ハンドルが取り付けられています。



ハンドルを展開するとこんな感じ。



底面には滑り止めパッドが4個付いています。



「Jackery ポータブル電源 1000 New」の寸法は幅327mm×奥行き224mm×高さ247mmで、旧モデルの「Jackery ポータブル電源 1000」や「Jackery ポータブル電源 1000 Pro」と比べて小さくなっています。左から順に「Jackery ポータブル電源 1000 New」「Jackery ポータブル電源 1000」「Jackery ポータブル電源 1000 Pro」を並べるとこんな感じ。



重さを測定すると、「Jackery ポータブル電源 1000 New」が10.95kg(公称値10.8kg)、「Jackery ポータブル電源 1000」が10.30kg(公称値10.6kg)、「Jackery ポータブル電源 1000 Pro」が11.50kg(公称値11.5kg)でした。Jackeryによると、「Jackery ポータブル電源 1000 New」はリン酸鉄リチウムイオン電池を採用した1000Whクラスのポータブル電源の中で最軽量とのこと。



「Jackery ポータブル電源 1000 New」「Jackery ポータブル電源 1000」「Jackery ポータブル電源 1000 Pro」のスペックの違いは以下の通りです。

モデル名Jackery ポータブル電源 1000 NewJackery ポータブル電源 1000Jackery ポータブル電源 1000 Proバッテリーの種類リン酸鉄リチウムイオン電池 三元系リチウムイオン電池三元系リチウムイオン電池寸法幅327mm×奥行き224mm×高さ247mm幅332mm×奥行き233mm×高さ243mm幅340mm×奥行き262mm×高さ255mm重さ10.8kg10.6kg11.5kg出力1500W1000W1000Wバッテリー容量1070Wh1002Wh1002Whバッテリー寿命4000回1000回1000回満充電にかかる時間1.7時間(緊急充電モード:1時間)5.5時間1.8時間アプリ連携ありなしなしUPS機能ありなしなし

「Jackery ポータブル電源 1000 New」には大きなハンドルが付いており、ガッシリ握って持ち運び可能。このため、取り回しは苦になりません。



◆2:AC出力の性能を検証

「Jackery ポータブル電源 1000 New」を充電するには、家庭用電源のコンセントと本体を電源ケーブルでつなぐだけでOK。



「Jackery ポータブル電源 1000 New」の最大出力は1500Wなので、定格1200Wの電気ケトルも余裕で動かせます。



iMac、大型扇風機、電気ポットといったように複数の電化製品を同時に動かすことも可能。



屋外でも電化製品を動作させられるので、アウトドアレジャーや停電時のバックアップなど多様な用途に役立ちます。



◆3:USBポートの対応規格をチェック

「Jackery ポータブル電源 1000 New」には「最大出力30WのUSB-Cポート」「最大出力100WのUSB-Cポート」「最大出力18WのUSB-Aポート」という3個のUSBポートが搭載されています。各USBポートがどんな充電規格に対応しているのかを、USBテスター「Power-Z KM003C」で調べてみました。



「最大出力30WのUSB-Cポート」の対応規格は以下の通り。USB PDのバージョンは3.0で、最大出力は30Wです。



USB PDのFixedが以下。



「最大出力100WのUSB-Cポート」もUSB PD 3.0に対応しており、最大出力は100W。



USB PDのFixedは以下の通り。



「最大出力18WのUSB-Aポート」は以下の充電規格に対応していました。



◆4:UPSとして使えるか検証

「Jackery ポータブル電源 1000 New」はUPSとしても使用可能です。例えば、以下のように「iMacを『Jackery ポータブル電源 1000 New』に接続しつつ、『Jackery ポータブル電源 1000 New』を家庭用電源に接続」という配線を組むと、iMacには家庭用電源から電力が供給され、停電や過電流でのブレーカー落ちなどで家庭用電源からの電力供給が遮断されると電力供給元が「Jackery ポータブル電源 1000 New」へと20ミリ秒以内に切り替わります。これにより、停電時などでもiMacが強制終了することがなくなり、データの消失を防ぐことができます。



コンセントから電源ケーブルを引き抜いて「停電や過電流でのブレーカー落ちなどで家庭用電源からの電力供給が遮断される」という状況を再現したムービーが以下。電力供給元が瞬時に切り替わり、iMacが動作し続けています。

「Jackery ポータブル電源 1000 New」のUPS機能を試す【iMac編】 - YouTube

iMacよりも消費電力の大きいPCの場合どうなるか検証するべく、「Intel Xeon E5-2630 v4」を2個搭載したラックサーバーに負荷をかけて約230Wの電力を消費するようにしてみました。



消費電力230Wのラックサーバーを接続した状態でコンセントを引き抜いた様子が以下。ディスプレイを見ると、処理が途切れずに続いていることが分かります。

「Jackery ポータブル電源 1000 New」のUPS機能を試す【サーバー編】 - YouTube

◆5:専用アプリのインストール&接続方法

「Jackery ポータブル電源 1000 New」はJackeryアプリと接続することで、1時間以内にフル充電できる「緊急充電モード」や、騒音を抑えて充電する「静かな充電モード」を有効化できます。JackeryアプリにはiOS版とAndroid版が存在。今回はiOS版のJackeryアプリを使ってみます。

まず、App StoreでJackeryアプリを検索して「入手」をタップ。



Face IDやTouch IDで認証を済ませてインストールを続行します。



インストールが完了したら「開く」をタップ。



以下の画面が表示されたら、プライバシーポリシー、ユーザー契約、利用規約をよく読んで「同意する」をタップ。



「Jackery ポータブル電源 1000 New」とJackeryアプリを連携するにはJackeryのアカウントを作成する必要があるので「アカウント作成」をタップ。



メールアドレスを入力してからプライバシーポリシー、ユーザー契約、利用規約に同意するチェックマークをタップして「次へ」をタップ。



すると、入力したメールアドレスの受信箱にJackeryからメールが届くので、メールに含まれる6桁のコードをメモします。



Jackeryアプリに戻って6桁のコードを入力してから「次へ」をタップ。



設定したいパスワードを2回入力して「OK」をタップ。



Jackeryアプリのホーム画面が表示されたら、「Jackery ポータブル電源 1000 New」と連携するために画面右上の+ボタンをタップ。



「ポータブル電源のBluetoothマークの点滅を確認せよ」という旨の画面が表示されたら、「Jackery ポータブル電源 1000 New」を用意します。



「Jackery ポータブル電源 1000 New」のBluetoothマークは初期状態から点滅しているので、ボタン類は押さずにスマートフォンの近くに置くだけでOK。



「アイコン点滅中」をタップ。



Bluetoothの使用許可を求められたら「許可」をタップ。



画面内に「1000」という名前のデバイスが表示されたらタップします。



Wi-Fi接続の可否を尋ねられたら「OK」をタップ。



Wi-Fiリストから接続したいWi-Fiをタップ。



Wi-Fiのパスワードを入力して「OK」をタップ。



これで「Jackery ポータブル電源 1000 New」とJackeryアプリの連携は完了です。



連携が完了すると、「Jackery ポータブル電源 1000 New」と離れた場所からでもJackeryアプリを介してバッテリー残量や入力・出力電力を確認できるようになります。



◆6:緊急充電モードで1時間以内にフル充電

「Jackery ポータブル電源 1000 New」は、通常時は「高速充電モード」に設定されており、バッテリー残量10%から約70分でフル充電できます。さらに、「緊急充電モード」に切り替えることで、1時間以内にフル充電できるようになります。「緊急充電モード」に切り替えるには、Jackeryアプリの右上のボタンをタップして設定画面を開きます。



続いて、「緊急充電モード」と記された部分のトグルスイッチをタップします。



「緊急充電モードはフル充電の後に自動的に無効化される」という旨のヒントが表示されたら「OK」をタップ。



トグルスイッチがONに切り替われば、「緊急充電モード」への切り替えは完了です。



実際に「緊急充電モード」だと何分でフル充電できるのか確かめてみます。検証開始時点のバッテリー残量は10%。



家庭用電源に接続すると、1375W前後で電力が供給され始めました。



そして、充電開始から51分でフル充電できました。「Jackery ポータブル電源 1000 New」は「緊急充電モード」に切り替えることで超高速充電が可能となるので、「台風の予報が出たから急いで充電したい」といった緊急時にも安心です。ただし、常に緊急充電を行うとバッテリーの劣化につながる恐れがあるため、緊急時のみ使用するようにしてください。



◆7:静かな充電モードもあり

一般的に、ポータブル電源の充電時には排熱のためにファンが回転して騒音が発生します。「Jackery ポータブル電源 1000 New」では充電速度を切り替えて騒音を抑えることが可能。充電速度を切り替えるには設定画面の「充電速度設定」をタップします。



充電速度設定では「高速充電モード」と「静かな充電モード」のいずれかを選択できます。まず、「高速充電モード」での騒音レベルを測定してみます。



騒音レベルは、以下のように「Jackery ポータブル電源 1000 New」の左側面の通風孔から30cm離れた場所に騒音計を置いて測定しました。



「高速充電モード」の騒音レベルは46dBA前後でした。換気扇や空調が発する騒音の方が大きいため、かなり静かな場所でないかぎり気になりません。



入力電力は1000W前後です。



続いて、「静かな充電モード」に切り替えて騒音レベルを測定します。



「静かな充電モード」の騒音レベルは公称値の22㏈に対して、結果は34㏈前後でほぼ無音です。



入力電力は270W前後でした。「静かな充電モード」では騒音が皆無になる代わりに入力電力が抑えられるので、フル充電までの時間が長くなります。このため、「Jackery ポータブル電源 1000 New」を使う際は、通常時は「高速充電モード」、素早く使いたい時は「緊急充電モード」、直近で使う予定がない場合は「静かな充電モード」という使い分けがオススメです。



なお、「高速充電モード」と「静かな充電モード」の騒音レベルの違いは、以下のムービーを再生するとよく分かります。

「Jackery ポータブル電源 1000 New」の騒音レベルを測定してみた - YouTube

◆8:ソーラーパネルでの充電も可能

「Jackery ポータブル電源 1000 New」には、Jackery製のソーラーパネル「Jackery SolarSaga 100」が付いてくるセットも用意されており、「Jackery SolarSaga 100」を使うことで周囲に電源のない屋外でも充電できるようになります。

「Jackery SolarSaga 100」には本体のほかに電源ケーブル、取扱説明書、保証サービスについての説明書が付属しています。



「Jackery SolarSaga 100」にはスタンドが付いており、自立可能。展開時の寸法は幅1220mm×高さ552mm×厚さ35mmで、重さは3.6kgです。



裏から見るとこんな感じ。太陽光パネルが裏面にも実装されており、充電効率が良くなっているそうです。



電源ケーブルはコネクタ部分が2つに分かれます。



L字になっている方は古めのJackeryデバイスに挿入可能で、「Jackery ポータブル電源 1000 New」などの新しめのデバイスにはI字の方を使います。



「Jackery SolarSaga 100」の充電能力を確かめるために、「Jackery ポータブル電源 1000 New」と「Jackery SolarSaga 100」を屋外に持ち出しました。



天気は、太陽がときどき雲に隠れるくらいの晴れ。



バッテリー残量17%の状態で充電スタート。太陽が雲から出ているタイミングでは88Wというかなり高めの入力電力を記録しました。



一方で、太陽が雲に隠れるタイミングでは入力電力が5Wくらいまで下がります。今回は、充電開始から1時間でバッテリー残量が19%にまで上昇しました。



◆9:まとめ

「Jackery ポータブル電源 1000 New」を実際に使ってみた結果、「1500W出力が可能なため、電気ケトルのような消費電力の大きい家電製品も余裕で動かせる」「1時間以内にフル充電可能」「UPSとしても使えるため出番のない時期でも停電対策に使える」「アプリを使って離れた場所からバッテリー残量や出力状況を確認できる」といった便利な特徴を備えていることが明らかになりました。「Jackery ポータブル電源 1000 New」は操作も簡単なため、初めてのポータブル電源選びに迷っている人や古めのポータブル電源からの買い替えを考えている人にオススメです。

なお、「Jackery ポータブル電源 1000 New」の希望小売価格は税込13万9800円。「Jackery SolarSaga 100」が1枚もしくは2枚付いてくる「Jackery Solar Generator 1000 New」の希望小売価格は1枚セットが税込17万4600円で、2枚セットは税込20万3400円です。また、2024年7月10日(水)〜2024年7月17日(水)のAmazonプライムデー期間中は最大約45%オフの割引きセールが実施されており、割引き後の価格は以下の通りです。

 希望小売価格割引き後の価格割引率Jackery ポータブル電源 1000 New13万9800円7万9900円約43%Jackery SolarSaga 100(1枚セット)17万4600円9万9900円約43%Jackery SolarSaga 100(2枚セット)20万3400円11万1900円約45%

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