この記事をまとめると

■デコトラにとってカラーリングは重要な要素だ

■平成以降はデコトラでもとくにカラーリングが重要視されるようになった

■デコトラオーナーに人気のカラーリングを紹介

キャビンを黒く塗るスタイルが人気!

 自動車をカスタムするほどの愛好家たちにとって、カラーリングは大きな要素となる。純正カラーではなくオールペンをすることが、カスタムの第一歩。カラーリングのことをそこまで重要に考えている人たちも、多いのではないだろうか。

 ステンレスで製作された大型のパーツや電飾などで飾られるデコトラの世界でも、カラーリングが車体の完成度を大きく左右する。むしろ見た目重視の文化であるだけに、なおさらかもしれない。昭和の時代では純正カラーのデコトラたちも多かったのだが、平成以降はカラーリングも重要視されるようになったのである。

 そんなデコトラ界では、キャビンを黒色に塗るというスタイルが人気となっている。それは今も昔も変わりなく、迫力感と高級感を演出してくれる黒色が、もっとも人気が高いと言えるだろう。フロントグリルやコーナーパネルなどに装着されるメッキパーツとの相性のよさも、その人気に拍車をかけているに違いない。

 その反面、パールホワイトのデコトラたちも平成の時代から増えてきた。トヨタの高級車セルシオなどの影響を受けたものと考えられるが、パールホワイトは高級感とともに清楚な雰囲気を演出してくれるため、オシャレさを求めるデコトラオーナーたちに人気となったのだ。なかには黒色のキャビンではイカつく見られてしまい、得意先からクレームが入ったからパールホワイトに変更したという運送会社も存在している。

 そして近年では、デコトラの世界にもマジョーラカラーやラップ塗装などといった、乗用車のカスタムで人気のカラーリングを採用する車両も見受けられるようになった。しかし、デコトラ界ではオシャレなカラーリングが広く浸透することはなく、現代では黒色をベースにキラキラと輝くラメを吹き付けたカラーリングが人気を博している。やはり、デコトラ愛好家たちにはオシャレさよりも迫力感や高級感、そして派手さを求める人が多いのだろう。そのスタイルは、昭和時代のまま不変である。時代が変わろうとも根底の部分がブレていないからこそ、半世紀以上も続く文化になったのかもしれない。

 シャシーの塗装も同様に、デコトラの世界では重要なものとなっている。乗用車のように隠れるわけではなく、むしろ大きく露出するからこそ塗装する傾向にあるのだが、現代では赤色に塗装したうえに赤のラメ、もしくは7色のラメを吹き付けるスタイルが多くなっている。赤色が人気なのは、旧くから続く水産便のトラックを参考にしたもの。近年では黄色に塗装したデコトラも見かけるが、これからもさまざまなカラーが人気を集めるようになる。

 外装を派手に飾れなくなったぶん、カラーリングや細かな部分に手をかけるようになったデコトラ界。旧くから伝わる日本独自の文化であるが、その時代に合わせた進化を遂げるという柔軟性を持ち備えている。そのようなデコトラ文化であるからこそ、きっとこの先もスタイルを変えながら永遠に生き続けることだろう。