この日の一連の米経済指標を通過して、ドル円は一時157.40円近辺まで下落していたものの、その後は157.65円付近に買い戻されている。市場は本日の午後のFOMCの結果を待っているが、市場のムードに明るさはない。FRBは1-3月のインフレ加速の対応に迫られ、利下げ計画を後退させる可能性があるとの指摘は多い。場合によっては、今年の利下げ観測を一蹴するリスクさえあるとの見方も出ている。

 最新のデータを考慮すれば、それは合理的な見方なのかもしれない。前日の1-3月期の雇用コスト指数は予想以上に上昇し、消費者信頼感も低下していた。一方、個人消費の低迷は確認されていない状況。

 FRBは早期に利下げを実施したがっている節もある。あまり高金利を長く継続すると景気が失速するリスクや、昨年3月に見られたような金融システムへのリスクも懸念される。ただ、利下げサイクルに入るには数字の裏付けが全く足りない状況ではある。

USD/JPY 157.69 EUR/USD 1.0686 GBP/USD 1.2493

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美