とちぎテレビ

２０２２年真岡市の自宅で当時１歳だった息子に暴行を加え死亡させたとして傷害致死の罪に問われた当時１９歳の母親に対し宇都宮地方裁判所は２６日懲役７年の判決を言い渡しました。

傷害致死の罪に問われているのは、真岡市長田の風俗店従業員大島美由紀被告２１歳です。大島被告は事件当時１９歳で少年法で実名の公表が可能な「特定少年」に当たるとして宇都宮地方検察庁が起訴したあと実名を公表しました。

判決によりますと、大島被告は２０２２年１０月、真岡市の自宅のリビングで、当時１歳だった息子の背中を蹴って転倒させ脳に損傷を与えて死亡させたとしています。

これまでの裁判で大島被告は起訴内容を認め、刑の重さが争点となっていました。

２６日の判決で、宇都宮地方裁判所の古玉正紀裁判長は「幼い長男に力を加減せずに蹴る行為は相当危険で意識不明のまま死亡した結果は重大」と指摘し「育児のストレスから長男に身体的虐待を繰り返していたが周囲に虐待を知られるのを恐れ公的機関に支援を求められず孤立した」と述べました。その上で「母親として子どもを守るべき立場にありながら育児が思い通りにならないという理由で虐待を繰り返した末に犯行に及んだことは身勝手かつ短絡的な動機で酌量の余地が大きいとまでは言えない」と述べ懲役８年の求刑に対し懲役７年の判決を言い渡しました。

古玉裁判長は「公的機関など自分を助けてくれる人を見つけて若いあなたには更生してもらいたいし立ち直ってもらうことを期待しています」と声をかけると大島被告は小さくうなずいていました。