テスラ、NVIDIA、ディズニー、Figure AIなど、注目のヒューマノイド・ロボットが続々登場 ロボティクス最前線情報まとめ

メルセデスの工場でテスト運用の検討が始まったApptronik「Apollo」
●テスラがヒューマノイド「オプティマス」を披露
その後、テスラは実際にTesla Bot(オプティマス)のプロトタイプを公開し、YouTubeを通して順次、開発状況を発信している。

(出典:YouTube動画より)
■ Tesla Bot Update:
2023年9月には、ブロックの色を見分けて振り分けるソーティング作業や片脚立ちストレッチなどを修得した動画を公開している。(関連記事「米テスラ、ヒューマノイドの最新動画を公開 ブロックの色を見分けて振り分けるソーティング作業や片脚立ちストレッチなどを修得」)

当初の仕様では、身長は約173cm、体重は約57kg。約20kgの荷物を運搬し、8km/hの移動性能を持つロボットを開発中としている (出典:YouTube動画より)
■ Tesla Bot Update | Sort & Stretch:
●Figure AI
また、ヒューマノイド開発のスタートアップ、米フィギュアAI(Figure AI)は、マイクロソフト、NVIDIA、オープンAI、元アマゾンのジェフ・ベゾス氏が投資するというニュースで話題となった。2024年に入ってからのことだ。


人の言語を認識して、リンゴを手渡すヒューマノイド「Figure 01」 (出典:YouTube動画より)
ヒューマノイド「Figure 01」は動画として公開されており、会話で秀でるChatGPTとの連携によって、人と会話しながら、人の指示を理解・解釈して行動を起こす様子とそのレベルが、ある種、衝撃的だった。
■Figure Status Update - OpenAI Speech-to-Speech Reasoning:
■Figure Status Update - Real World Task:
●「GTC 2024」でNVIDIAはヒューマノイド開発環境を提供すると宣言
従来からロボティクス開発環境を提供してきたNVIDIAは、自社のイベント「GTC 2024」で次世代の超小型AIコンピュータ「Jetson Thor」では、ヒューマノイド開発プラットフォームを完備する計画「GR00T」(GRゼロゼロT)を発表した。

ディズニーが研究中のロボットが基調講演に登壇

ヒューマノイド開発プラットフォーム「GR00T」を解説するNVIDIAの創業者/CEOのジェンスン・フアン氏
●ディズニーのロボット開発に「Jetson」と「Isaac」
CEOのジェンスンフアン氏の基調講演では、「Jetson」を搭載し、シミュレータ「Isaac」でトレーニングされたディズニーの可愛いロボットたちが登壇して、会場を沸かせた。

■Droids in Training: Imagineers Conduct Playtest at Star Wars: Galaxy’s Edge:
■Droids in Training: Imagineers Conduct Playtest at Star Wars: Galaxy’s Edge:
正確には、ディズニー・リサーチとウォルト・ディズニー・イマジニアリング・リサーチ&ディベロップメントが開発したロボットで、ディズニーらしく表現力豊かなモーションが可能となっている。一見してスター・ウォーズに登場するようなデザインだが、実際に、ディズニーランド・パークの「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」(スターウォーズのアトラクションやショップ等のエリア)でトレーニングを兼ねて披露された動画が公開されている。
●「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のグルートのデザインも
ディズニーがロボティクスの開発に注力していることは以前から業界では知られていて、実際にディズニーパーク内でロボットが多用され「アニマトロニクス」(オーディオアニマトロニクス)という名称で精巧に動くロボットがアトラクション内で既に活躍していることをご存じの人も多いだろう。
下記は、ウォルト・ディズニー・イマジニアリング・リサーチ&デベロップメントが開発(研究)中の二足歩行ロボットの様子。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のグルートのデザインをしたコンパクトなロボットだが、50度以上の自由度を持ち、スタイリッシュに歩行し、ジェスチャーや感情表現することができる(NVIDIAの技術が使われているかどうかは不明)。
■Disney Imagineers Develop Cutting-edge, Free-roaming Robotic Actor:
■First Look at The Na’vi River Journey Shaman | Disney's Animal Kingdom:
●Agility Robotics「Digit」
「GTC 2024」で明らかになったヒューマノイド関連のニュースとして、かねてより注目を集めていたAgility Roboticsのヒューマノイド「Digit」にはNVIDIAの「Jetson」が搭載され、デジタルツインプラットフォーム「Omniverse」とシミュレータ「Isaac」によってトレーニングされたことだ。「GTC 2024」の展示ホールでは実機が展示され、スタッフが来場者からの質問に回答していた。

■ Agility Robotics「Digit」GTC 2024での報道関係者向けの解説(英語) :
Digitは既に多くの企業がテストを行っていて、中でもシアトルの南にあるアマゾンのロボット研究開発施設でテストされていることが大きなニュースとなった。果たして、スマート物流倉庫で人間と協働して成果が上げられるのか、注目したいロボットだ。
■ Agility Robotics Broadens Relationship with Amazon:
●Apptronik「Apollo」
もうひとつの「GTC 2024」で明らかになったニュースが、Apptronikのヒューマノイド「Apollo」にも「Jetson」と「Omniverse」「Isaac」が採用されていたことだ。こちらも「GTC 2024」の展示ホールでは実機が展示され、スタッフが来場者からの質問に回答していた。

「Apollo」には2基の「Jetson Orin」が搭載されていて、1基がブレイン(頭脳)、もう1基がモーションの制御に使用されている。
■ Apptronik「Apollo」GTC 2024展示ホールと報道関係者向けの解説(英語) :
「Apoolo」はメルセデスの工場で試験導入されたことで話題になった。資料や動画見る限り、二足歩行に拘らず、上半身だけのバージュンや車両機構と組み合わせたバージョンも用意され、現場に合わせた実用性を確保している。

関連記事「メルセデスベンツが工場内でヒューマノイドロボット「Apollo」を試験導入 ヒト型ロボットのメリットとは」
■ Workcell Delivery Wheeled Base:
■ Case Picking (シミュレータでトレーニングを重ねる) :
●ヒューマノイド開発に参入する企業は更に増える
これらNVIDIAのJetsonやシミュレーション環境では、既にロボティクス開発についての実績やフィードバックがあるため、今後リリースされる「Jetson Thor」やロボット開発プロジエクト「GR00T」は、実用的にロボティクスSDKやセンシング制御ソフト、デジタルツインやシミュレーション環境が用意される可能性が高い。そうなれば、今まで困難とされてきたヒューマノイド開発に参入する企業は更に増えると考えられる。
なお、NVIDIAの最新インタビューは関連記事「NVIDIAがヒューマノイド開発に注力する理由「Jetson Thor」について聞く 自律型マシン事業VP 単独インタビュー」を参照のこと。
