シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:ちいやんさん(静岡県・30代女性)

6年前、ちいやんさんは第一子を妊娠していた。

つわりなどもなかったため、ギリギリまで仕事も続け、毎日電車通勤。周りに妊婦だと気づかれないようにしていたのだが......。

<ちいやんさんの体験談>

初めての妊娠をしていたとき、つわりなどがなく身体も元気だったの

で、ギリギリまで働いていました。

当時の職場は電車通勤で、朝の出勤時は空いている時間なので周りに気をつかわれるまでもなく確実に座れたのですが、夕方の退勤時はどうしても満員で、いつも同じ車両のドア付近に立っていました。

意地でもマタニティマークを付けず...

今思えばどうしてそんなことをしていたのかと思いますが、当時の私は意地でもマタニティマークを付けず、周りに妊婦だと気づかれないよう、お腹が目立たない服をきるなどして日々を過ごしていました。

しかし、どんどん隠すのが難しくなり、しばしば視線を感じるように......。

そしてある日、いつもと同じようにドア付近に立っていると、あるサラリーマンのおじさまグループに、座席のほうから声をかけられました。

「おねえちゃん、ここ座ってー!」

少し恥ずかしかったのですが、沢山の人がいる中で無視することも出来ず、お言葉に甘えて座らせてもらうことにしました。

それからというもの、そのグループと同じ電車になった日は必ず声をかけて下さるように。時には「おねえちゃんのために席を取っておいたよ」と優しく言ってくださりました。今でもそのことが忘れられません。

生まれた息子に会ってもらいたかったけど...

生まれたら、おじさまたちにも会ってもらいたかったなあ、と思いましたが、夫の転勤が決まって職場をやめることになってしまいました。なので、もうあの車両には乗っていません。

その後、無事に男の子が生まれ、6年が経ちます。

とっても優しい、自慢の息子に育ってくれました。

当時、わたしを支えてくださったサラリーマンのおじさま方! 本当にありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。

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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)