ココスの「858円朝バイキング」で過ごす至福の時間

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ファミリーレストランココスの朝食バイキングは食べ放題で858円。写真は2023年11月のものです(筆者撮影)/配信先サイトでは写真をすべて見られない場合があります。本サイト(東洋経済オンライン)内でご覧ください

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。

そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライター・ブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第65回となる今回、訪れたのは「ココス」です。

朝だけに提供される飲食チェーンの朝限定メニュー、いわゆる「モーニング」には、実にさまざまなお店が朝メニューに参入しています。ハンバーガー店に牛丼チェーンにファミリーレストラン。カフェに焼肉に立ち食い蕎麦にドーナツショップ。

集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューの数々は、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。

今回は、ファミリーレストラン 「ココス(COCO'S)」のモーニングをご紹介します。

超人気!ココスのモーニング


2024年2月に利用した朝食バイキング。目当てはワッフルです(筆者撮影)

SNSなどで「あのお店のモーニングがおすすめだよ」「このお店の取材をしてほしい」と、最も声があがるのが、「ココス」の朝食バイキングです。

一部店舗限定のメニューではあるものの全国200店舗以上で実施され、1000円以下で食べ放題という、お手頃な価格設定と、焼きたてパンを含むこだわりのメニューは、多くのファンを獲得しています。

外食の定番は昼休憩に1人でランチ? それとも休日に家族でディナー? そんな固定観念を覆し、たまにはチェーン店で朝食を。

ココスの朝食バイキング858円


(筆者撮影)


(筆者撮影)

「ココス」の朝食バイキングは、食べ放題のビュッフェスタイルにもかかわらず、破格の値段設定が魅力です。

実施時間は朝の6時から10時30分(受付は10時)までで、利用時間は最大90分まで。料金は平日価格、大人税込858円、子供税込528円、3歳以下は無料という太っ腹ぶり。

でも、安いからとあなどることなかれ。パンにごはんに、カレーに炊き込みご飯、うどんにおかず、サラダバーにワッフル、スープバー。30種類以上の料理に、ドリンクバーという、充実した内容となっています。


カゴの中のミニサイズのパンは、出てきてすぐは焼きたてでホカホカ(筆者撮影)

日によって料理に変更がありますが、とある日の料理の一部はこちら

・焼きたてパン4種類(ソフトフランス、クロワッサン、パン・オ・ショコラ、メイプルブリオッシュ)
・焼きたてワッフル
・ごはん、炊き込みご飯
・うどん
・特製スープ(うどんつゆとしても使用)
・カレー
・揚げ物2種(からあげ、コロッケ)
・おかず4種(やきそば、肉だんご、スクランブルエッグ、ソーセージ)
・サラダバー(キャベツミックス、海藻ミックス、トマト、ブロッコリー、コーン、マカロニサラダ、寒天、フルーツヨーグルト、きんぴらごぼう)
・その他 生卵、納豆、のり、漬物、マーガリン、いちごジャム、生クリーム、メイプルソース、チョコソースなど


サラダバーも時によって内容が変わります。マカロニサラダの日もあれば、ポテトサラダの日も。フルーツヨーグルトなどのデザートも並んでいます(筆者撮影)

特に店内のオーブンで焼き上げる、ミニサイズのパンは大人気です。シンプルなソフトフランスに、クロワッサン、パン・オ・ショコラなど、どれも本格的な味わい。

自分でタネを流し込んでつくる、ワッフルメーカーもあり、できたてアツアツのワッフルが食べられます。

おかずもバラエティ豊か!

おかずも和朝食、洋朝食どちらにも対応できるよう、スクランブルエッグもあれば、生卵と納豆もある、焼き魚もあれば揚げ物もあるというように、バラエティ豊かな品揃えとなっています。


うどんはスープが時期により変更されます。ただのうどんだしではなく、肉団子入りのしょうゆ仕立てだったり、きのこの入ったシチュー風だったりと、一手間かかったメニューです(筆者撮影)

固定された定番メニューはあるものの、おかずや、スープはその時々により内容が変更されているため、「今日はどんなメニューかな」と、来店する楽しみがあり、リピーターでも飽きません。


揚げ物は2種類で、この日はコロッケとからあげでした。おかずはスクランブルエッグ、ソーセージ、やきそば、肉団子、サバの味噌煮など(筆者撮影)

※「ココス」の朝食バイキングは、実施店舗により、毎日実施と土日祝日のみ実施の場合があり、実施時間もまちまち、料金にも800円台前半から1000円程度と、ばらつきがあります。詳しくは公式サイトをご確認ください。


ワッフルメーカーは、特注品。焼き上がるとココスのロゴが浮き上がります。トッピングは生クリーム、チョコソース、ケーキシロップでした(筆者撮影)

さすがココス! な、おいしいと楽しいが揃った朝食バイキング


この日のお目当てはワッフル! 野菜とヨーグルトもしっかり食べて大満足(筆者撮影)

「ココス」の朝食バイキングは、税込858円。食べ放題にしてはかなり安めの価格設定に目が行きがちですが、決して安かろう悪かろうではありません。

さすがにホテルのビュッフェのような豪華なメニューとはいかず、料理は炭水化物や原価のあまり高くないものが多めではあるものの、パンはふわふわ、サラダも新鮮、揚げ物はさっくり、美味しい状態で提供しようという気概を感じるのです。


ビュッフェプレートの6マスに、少しずついろんなおかずを乗せて(筆者撮影)

品数もたっぷりで、ビュッフェならではの「選ぶ楽しみ」「盛り付ける楽しみ」も存分に味わえますし、ワッフルメーカーを使って自分で調理するという、プラスアルファの遊び心もある。

ドリンクバーにも、ガラス瓶に入った茶葉がズラリと並ぶブースや、コーヒーに混ぜて楽しむフレーバーシロップなど、おいしさと楽しさを併せ持った仕掛けが用意されています。


タネを流し込み1分タイマーを仕掛けて待てば、リズミカルな網目模様のワッフルの完成です(筆者撮影)

好きなものだけちょっとずつ、大好きなものはたっぷりと取り分けて

ビュッフェブースをざっと見渡し、何を食べるか思案してから、ちょっとずつ、食べたいものをビュッフェプレートに取り分けていきます。しっかり食べたいサラダやフルーツヨーグルトは、別皿にこんもりとよそいました。


朝からたっぷり野菜を補給。キャベツに、トマト、ブロッコリー、コーン、ポテトサラダなどを取り分けてオーソドックスなサラダにしました(筆者撮影)

パンはミニクロワッサンをチョイス。リベイクしていないのに、内側はまだほんのりと温かく、外側はサクサクとして、まるでパン屋さんで食べる焼きたてパンのようでした。

淹れたてのコーヒーにはキャラメルのフレーバーシロップをプラス。洋食モーニングの定番、スクランブルエッグにソーセージ、ハッシュドポテトを食べれば、さながらホテルモーニングの気分です。


ミニサイズのクロワッサンは、サックリしている(筆者撮影)

朝はごはん派という方には、ご飯のお供にぴったりな生卵、納豆、漬物、サバの味噌煮などもあり、カレーや炊き込みご飯など、パン以外の選択肢も充実しています。筆者のお皿にも、炊き込みご飯と肉団子、コロッケと焼きそばを1口分ずつ取り分けました。

そしてこの日の私のお目当て、ワッフルがこちらです。


しっとりホカホカの焼きたてのワッフルに、こんもり生クリーム。甘党にとっては至福!(筆者撮影)

焼きたてのホカホカワッフルにたっぷりの生クリームを乗せて、いちごジャムをチョンチョンと垂らせば、朝からとびきり罪深い、ぜっぴんスイーツの完成です。

ワッフルだけでも朝食バイキングのモトが取れる!?

もし、単品メニューがあったとしたら、このワッフルとコーヒーだけで1000円ぐらいしてもおかしくない。筆者にとっては、このワッフルを食べられただけで、モトを取ったようなもんです。


ワッフルのホットケーキ風のアレンジもオススメです(筆者撮影)

食べ終わりかと思いきや、さにあらず。間髪入れずに2枚目のワッフルを焼きました。次はマーガリンにケーキシロップをかけて、ホットケーキ風です。いつもよりたっぷりとシロップをかけて、じゅんわりとシロップが染み込んだワッフルを、欲望のままにむさぼりました。


ティーポットは茶漉し付き。半透明なのでお湯がだんだん色づいていくのを眺めるのも楽しい(筆者撮影)

もう腹八分目どころか12分目あたりまで来たところで、最後にお茶を1杯。ティーポットに茶葉から淹れたダージリンをゆっくりと蒸らしてから、カップにそそぎ1口飲んでほっこり。

ティーバッグよりも手間はかかりますが、利用時間は最大90分もあるので焦ることはありません。一息ついてから店を出ましょう。

オペレーションにレシピ、ゼンショーの強みが詰まった最強モーニング

「ココス」の朝食バイキングの強みは価格の安さと、お値段以上の満足度です。

筆者が利用したのは客席が100近くある大型店。ホテルに併設された店舗のため早い時間は混み合いますが、平日朝9時半頃にはある程度客足は落ち着き、利用しているのは20人ほどでした。


お店で作る焼きたてパン。まるでホテルの朝食ビュッフェのようでグッときます(筆者撮影)

入り口で会計してから入店し、退店するまで完全にセルフサービスでお店を利用するスタイルになります。また、ホールスタッフはごく少数。厨房に人の気配はあるものの、ホールで慌ただしく動き回っているスタッフは2人だけでした。

「2人だけだとビュッフェブースが滞るのでは?」「お店がぐちゃぐちゃになっちゃうのでは?」と不安が過りましたが、心配ご無用。

手際の良いオペレーションはとにかく見事で、会計とビュッフェブースの補充の合間を見て、食べ終わったお皿が並ぶ棚を片付ける。まさにプロの仕事です。

ピカピカとまではいきませんが、ストレスにならない程度に店内は整い、ビュッフェは歯抜けになることなく、適度に料理が揃っていました。


ドリンクバーのお茶コーナーには、さまざまな茶葉が並んでいます(筆者撮影)

及第点以下のものはひとつもない完成度の高さ

料理も原価の安いものが多いのですが、味はどれもおいしく、及第点以下のものはひとつもありません。シーズンごとに変更されるうどんのスープにも、メニュー開発にこだわりを感じさせます。

さらに、焼きたてパンや自分で作るワッフル、茶葉の入った瓶がリズミカルに並ぶドリンクバーなど、随所に楽しませる仕掛けが溢れていました。

ちなみに、「ココス」を運営するココスジャパンは、ゼンショーのグループ企業です。

牛丼の「すき家」や「なか卯」、ファミリーレストランの「ビッグボーイ」や「ジョリーパスタ」など、多数のチェーン店を運営する、外食業界の最大手なのですが、「ココス」のモーニングの完成度の高さは「ゼンショーのノウハウの結晶ではないのか?」と関心しきりの朝でした。

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。


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(大木奈 ハル子 : ブロガー・ライター)