『ウルトラマンタロウ ZAT超兵器写真集』表紙カバー(C)円谷プロ

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『ウルトラマンタロウ』放送50周年を記念して、同作に登場する宇宙科学警備隊「ZAT(ZARIBA OF ALL TERRITORY)」に配備されたメカ類のスチール写真をまとめた『ウルトラマンタロウ ZAT超兵器写真集』が、復刊ドットコムより12月下旬に発売される。
『超兵器写真集』シリーズの企画・編集を手がける高島幹雄さんに、本書制作の裏側とその魅力的な内容について語ってもらった。

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――まず、本書の企画意図からお聞かせいただけますでしょうか。

高島 昭和のウルトラマンシリーズは過去に膨大な数のムック本や研究本が出版されてきていますが、メカに関しては写真1点あたりが大きく掲載されることが少なく、写真がトリミングされて本体の周囲を切っていたり、切り抜き加工をして載せたり、写真の上に文字がつけられているのが殆どでした。
円谷プロの写真ライブラリーに残された貴重な写真を、そのままの構図でできるだけ大きく掲載することにより、当時の制作現場の空気感も伝わってくる本が作れないか、というのが「超兵器写真集」のコンセプトです。

これまで『ウルトラマンA TAC超兵器写真集』、『帰ってきたウルトラマン MAT超兵器写真集』、そして『ウルトラセブン 宇宙超兵器写真集』と展開してきましたが、今回は作品の50周年を機に『ウルトラマンタロウ ZAT超兵器写真集』も実現できました。

――高島さんが『ウルトラマンタロウ』(以下『タロウ』)を初めて観た時の作品の印象は?

高島 初めて放映された1973年は小学校3年生でした。ウルトラの母まで出てきてファミリー化が強くなった設定に、「元々はウルトラマンやウルトラセブンも兄弟じゃ無かったけど……」という今までの作品との違和感を持ちつつも、やはり、ウルトラ六兄弟が揃う回はワクワクしました。『小学館BOOK』という月刊誌で、今後の展開の先取りグラビアなどで情報を得ていましたね。

「日本の童謡から」シリーズは「学校の授業に出てくるようなものが、単純に楽しみたい『タロウ』になんで入ってくるんだか」という複雑な心境でしたが、『タロウ』の45周年の時に3枚組のCD-BOX『ウルトラマンタロウ 45TH ANNIVERSARY MUSIC COLLECTION』(発売元:日本コロムビア)を制作中に、劇中で使われる童謡の音源を調べるため観ているうちに、良く出来たストーリーだなと共感しました。
それから、白鳥さおり役の初代・あさかまゆみ(現・朝加真由美)さんは当時観ていても可愛かったですねー。今でも好きです。

――放送当時、ZATのメカ類にどんな印象を抱いていましたか。

高島 申し訳ないのですが、当時子供だったのに「子供っぽい感じだな」と思って(笑)、あまり好きではなかったです。でも、後の70年代末期のウルトラマン再評価ムーヴメントの頃に出たムック本などによって『タロウ』の魅力を再発見しました。さらに大人になってからはレーザーディスクなどで観直して、ZATのメカが持つ独特なデザインやカラーリングに惹かれました。

(C)円谷プロ

――今回使用した写真素材はどんな内容になりますか。

高島 円谷プロのご協力を得て、同社の写真ライブラリーに残された制作当時の現場で撮影された写真から厳選しています。『タロウ』はこれまでの3作品よりも、微妙なテイク違いも含めて一つのメカの写真が多く残されていて、限られた紙数の中でセレクトするのが大変でした。
『タロウ』のオープニング映像は初めて実写のメカを使用した構成になっているので、本書では映像からのキャプチャー画像も入れて、撮影現場の写真と実際の映像を見比べできるように構成します。

後期に登場したZAT専用車のスチール写真は、円谷プロの写真ライブラリーに残されていないことがわかりました。近未来的で派手なギミックを搭載しているウルフ777やラビットパンダとは違った、シンプルでリアルな感じが好きなんですけれど……。

――編集するにあたって心がけたことなどはありますか。

高島 ファンの皆さんに新鮮な驚きを届けたいので、過去の出版物などに掲載された既視感の ある写真は、テイク違いの写真があれば、微妙な違いでもそちらを選んでいます。それに、トリミングしていない原型のままの写真を見ると、違う印象を受けると思います。

――また本書では、ZATのヒロイン・森山いずみ隊員コーナーが併せて掲載されるそうですね。

高島 ファンからも熱いリクエストがあったことから単独の写真集を作りたいと考えていたのですが、演じた松谷紀代子さんと連絡が取れないため、現在は許諾を取ることが難しい状況です。なので、今回は「『ウルトラマンタロウ』という作品に登場するキャラクターの写真」ということで、スチール写真を掲載することにしました。

ライブラリーに残された写真点数は膨大とまではいかないので、既存のムック類との重複はありますが、トリミングされていない状態での掲載は初かもしれないカットも少なからずあります。松谷紀代子さんにこの本のことをどこかで知って頂き、出版社にご連絡を頂けたら嬉しいです。

――これまでのシリーズを振り返って、改めてウルトラメカの魅力はどんなところにあると思われましたか。

高島 「メカデザイナー」というワードが無い時代に生み出された洗練されたデザインと緻密な造型、それにやはり人間が手作りしている温もりを感じるところでしょうか。できれば『ウルトラマンレオ』のMAC、『ウルトラマン80』のUGMもそれぞれまとめていきたいです。

――最後に改めて、本書のセールスポイントをアピールしてください。

高島 何といっても『ウルトラマンタロウ』のメカや車輌のスチール写真、プロップ写真だけで1冊の本が史上初なので、本書の存在そのものがセールスポイントです!

(C)円谷プロ