ジョナサン・メジャースの被害女性が自首、逮捕されるも不起訴処分 ─ 被告側、「重大な不正」と非難
俳優ジョナサン・メジャースからの暴行被害を訴えていたグレイス・ジャバリがニューヨーク市警に逮捕されたことがわかった。米The Hollywood Reporterなどが報じている。
報道によれば、現地時間2023年10月25日、ジャバリはマンハッタンの警察署に出頭。メジャースとの間で3月に発生した暴行事件に関連して、「軽犯罪及び器物損壊罪」の容疑で逮捕されたという。この日は、ジャバリに対する絞首、暴行、ハラスメントの容疑で逮捕されていたメジャースの審問が行われており、起訴取り下げ要請が棄却されたばかりだった。
ジャバリの出頭には、担当弁護士を務めるロス・クレーマーも同行した。クレーマーは「今回の出来事の根拠がいまだにはっきりしていない」と述べた上で、「なぜ逮捕されなければならなかったのか、ニューヨーク市警から納得のいく回答を受け取っていない」との声明を発表している。出頭後、ジャバリは署内でおよそ90分にわたる書類作業を行い、警察は後日裁判所への出廷を求めるチケットを発行したという。
ところが、マンハッタン地方検事局はジャバリの逮捕に関する声明のなかで、「メリットの欠如」を理由に起訴しない意向を発表。これに伴い、警察による出廷要求は無効となった。被告側のダスティン・プシュ弁護士は、検察の不起訴判断に対し、「重大な不正だ」と非難。「こうした一連の新事実は、検察の裁量の公平性と透明性、適正手続き、法の下の平等な保護について重大な疑問を投げかけている」とコメントしている。
メジャースは3月の逮捕後、一貫して無罪を主張しており、6月には原告側を反訴していた。この後、ニューヨーク市警は内部向けにジャバリ逮捕の可能性を知らせる捜査カードを発行していたという。反訴後、検察はジャバリへの起訴を拒否していた。クレーマー弁護士によると、ジャバリは自分が逮捕される可能性を認識していたといい、出頭に向けた準備を進めていたが、後に検察からは起訴されない意向であると知らされたとのことだ。
ジャバリの出頭には疑問も残る。マンハッタンで刑事事件の弁護人を務めるケーリー・ロンドン氏は「家庭内暴力に関するケースでは、訴えの証人であるジャバリ氏をニューヨーク市警が逮捕することは、報復行為とみなされるため通常は起きない」と私見を述べている。今回の逮捕について、被告側がジャバリに対する反対尋問で持ち出すことはできないと指摘し、「法的効力はゼロ」と断言。被告側による「売名行為」の可能性も示している。被告側のプリヤ・チャウダリー弁護士は、The Hollywood Reporterからの取材に応じなかったという。
ジャバリに対する起訴取り下げ要求が却下されたメジャースは、2023年11月29日に行われる公判に出頭予定。今回の一件を受け、事態は混迷を極めており、裁判での展開にいっそうの注目が集まる。
Source: THR