●『キングオブコント』のことだけ考えている

“日本一のコント師”を決める大会『キングオブコント2023』の決勝が21日19時からTBSで生放送される。7年ぶり3回目の決勝進出を決めたお笑いコンビ・ジグザグジギー(宮澤聡、池田勝)に『キングオブコント』への思いや意気込みを聞いた。

ジグザグジギーの宮澤聡(左)、池田勝

2008年にスタートし、毎年TBSで決勝戦を生放送している『キングオブコント』。今年は史上最多となる3036組がエントリーした。決勝進出を決めたのは、ゼンモンキー、隣人、ファイヤーサンダー、カゲヤマ、サルゴリラ、ラブレターズ、蛙亭、ジグザグジギー、や団、ニッポンの社長(※エントリー順)の10組。決勝は『お笑いの日2023』(21日14:00〜21:54)内で生放送される。第16代キングの称号と優勝賞金1000万円を手にするのはどの組か。

――7年ぶり3度目の決勝進出となりますが、心境をお聞かせください。

池田:『キングオブコント』のことだけ考えてネタを作っているんです。2008年結成で、初年度から『キングオブコント』があって、そこから『キングオブコント』に向けてしか作ってないので。長尺のネタとか本当に1本もないんです。このためだけにネタをやってきていると言っても過言ではないのでうれしいです。

宮澤:世代交代みたいな雰囲気があった時期があって、もうしんどいのかなと思ったときもありましたが、諦めずにやってきてよかったなと思います。

池田:諦めなくてよかったね。何度か諦めそうになったときがあるんです。毎年、ダメだった翌日に集まって、来年どうする? という話をするんですけど、去年もう1回出ようかって2人で足並みをそろえるまでに何十分かかかりました。

宮澤:『キングオブコント』を目指すのは卒業して、お互いのパーソナルな部分とかで仕事をしていくのもいいかもねという話はしましたね。

池田:でもやっぱこれしかないんで。



○■第1回から出場「そこから惚れ続けている」

――ここまで『キングオブコント』にかける原動力とは?

池田:初年度に漫才とコントを同時に1本ずつぐらい作って、まだどっちで行くか決まっていないときに、『キングオブコント』第1回が開催され、一発目に作ったネタを持っていったら1回戦通ったんです。その当時、2回戦に行った人は有名な人しかいなくて、コントでいけるのかもなと思い、コントだけになりました。だから、責任を取ってもらいたいですね(笑)。認めたんだから。そこから惚れ続けているというか、恋焦がれちゃったんです。それこそ同世代でコントをやり続けている芸人ってラブレターズと僕らぐらいしか残っていないので、ラブレターズと2組で7年ぶりに出られるというのはうれしかったです。

――思うような結果が出ず、『キングオブコント』が嫌いになったことはないですか?

池田:何度も嫌いになりましたが、やっぱり好きなんですよね。本当に恋ですね。

――決勝などを見ていても惚れるものがありますか?

池田:もちろん! すごいコントに出会ったときは震えます。笑いを通り越して感動するんですね。

宮澤:僕、お酒好きですけど、『キングオブコント』の決勝は酒飲みながら見ないですね。『M-1』はベロベロに酔っぱらいながら見たりしますが、『キングオブコント』に関しては真剣に見ます。

●ネガティブマインドから抜け出し返り咲き



――2016年のあと決勝から離れていましたが、今回7年ぶりに決勝に行けた要因をどのように考えていますか。

池田:2016年に決勝に行かせてもらって全然ダメで7位だったので、そこからいいネタができても、2016年の『キングオブコント』と比較してしまうんです。あれでダメだったんだから、これぐらいのネタじゃ通用しない、全然ダメだってネガティブなマインドに。どんどん抜け出せない渦に巻き込まれていき、そこからネタを作らなくなるんです。ライブのために、3カ月に1回しかネタを作らなくって、それもギリギリで、間に合わなくて設定だけ決めてアドリブでやったときもありました。

宮澤:僕らは特殊なネタの作り方で、僕がアイデアを考えて渡して、(池田が)書き上げるという、原案と脚本みたいな感じで、僕はそんなにアイデアを出すペースは変わってなかったんですけど、渡してもできてこないというのがずっと続きました。事務所ライブは新ネタ縛りなんですけど、当日の入り時間まで僕はなんのネタをやるかわからず、ライブ会場で5分の尺のネタを暗記してやっていました。

池田:ウケるわけもなく、年4本のウケないネタで『キングオブコント』に挑戦し続け、もちろん準々決勝でずっと落ちていて、これじゃいけないと思って事務所にお願いして後輩たちの毎月のライブに出させてもらうようにして、それが2021年。その年に準決勝に戻って、決勝がまた見えてきたという感じです。

宮澤:僕がよく絶えましたよね(笑)。めちゃくちゃしんどかったです。

――苦労していた時期を経て、絆がきっと増してそうですね。

池田:(決勝に)行けたからね。今年行けなかったらダメでしたよ。

――喧嘩することはありますか?

池田:喧嘩は1回もしたことないです。宮澤が我慢している部分が多いと思いますが、あんまり嫌な顔せず付き合ってくれて。ついてきているという感じでもなく、平等に同じくらいのパワーバランスでやっています。

宮澤:当日ネタができるのも、いつできるんだろうと思うと毎日疲れますが、どうせ当日までできてこないだろうと思うと前日までは気楽なので。当日頑張ればいいだけなので、そこは切り替えて、あまりストレスを自分に与えないようにしていきました。

池田:そこはめちゃめちゃ感謝しています。宮澤以外だったら無理だったと思います。

○■決勝は楽しみたい「ワクワクするのは初めてかも」

――決勝に向けて意気込みをお願いします。

池田:本当に楽しみたいです。過去2回は緊張で終わって、楽しい思い出がなかったので。

宮澤:今回のネタは決勝でやりたいネタなので、楽しみです。

池田:ワクワクするというのは初めてかもしれないです。今までは「これで大丈夫かな?」が勝っていたので。

宮澤:初めてちゃんとワクワクできている決勝戦かもしれないですね。

『キングオブコント2023』ファイナリスト10組

(C)TBS