X(旧Twitter)はユーザーを自社プラットフォームに引きつけるため、ポストに含まれるリンクからFacebookやInstagram、Blueskyなど競合サービスへのアクセスを意図的に遅くしていることが指摘されています。新たに、Xはクリエイター支援プラットフォームのPatreonやメッセージングアプリのWhatsApp、MetaのMessengerなどへのアクセスを平均2.5秒も遅らせていると、テック系ニュースサイトのThe Markupが報じました。

Twitter Is Throttling Patreon Links, Creators Say It Undermines Their Livelihood - The Markup

https://themarkup.org/news/2023/10/16/twitter-is-throttling-patreon-links-creators-say-it-undermines-their-livelihood



The Markupは2023年9月に、Xはポストに含まれるリンクからFacebook・Instagram・Bluesky・Substackなど一部の外部サービスへのアクセスを意図的に遅くしていると報じました。過去にGoogleが行った調査では、ウェブサイトの表示までに3秒以上時間がかかるとユーザーの53%が閲覧を諦めることがわかっており、意図的にアクセス速度を低下させるスロットリングが競合サービスやユーザーへの嫌がらせとして機能しているとみられます。

X(Twitter)がなおもFacebook・Instagram・Bluesky・Substackへのアクセスを意図的に遅くしていることを確認できるテストが登場 - GIGAZINE



この報道と同時に、The MarkupはXに投稿したリンクからウェブサイトへのアクセス時間を測定するツールも公開しました。ユーザーが気になるウェブサイトへのアクセスが意図的に遅延されているかをチェックし、もし遅延していることが確認されれば、The Markupにも通知が届く仕組みになっていたとのこと。

ユーザーがこのツールを使い始めたところ、Patreon・WhatsApp・Messengerへのアクセス速度が意図的に低下されているというアラートをThe Markupは受け取ったそうです。そこでThe Markupは、新たにPatreon・WhatsApp・Messengerへの新たなリンクを25個ずつ生成し、Xからのアクセス時間を測定する実験を行いました。

実験の結果、スロットリングされていないように見える6個のMessengerリンクを除き、ほとんどのリンクで平均2.5秒のアクセス遅延が発生していることが判明。なぜいくつかのMessengerリンクがスロットリングされていないのかは不明ですが、Xがこれらのサービスに対するアクセスを遅延させていることは明らかです。

The Markupは、「Xがスロットリングしていることを発見したプラットフォームは、少なくとも部分的にXに追加された機能のリストと競合しています。イーロン・マスク氏は、Xを『エブリシングアプリ』に進化させ、ポストの共有だけでなく送金・ライブストリーミング・クリエイターへの支払いなどにも使用可能にする計画だと語っています」と述べ、Xは競合になり得るサービスへのアクセスを遅延させていると指摘しました。



今回発覚したXによるスロットリングは、特にクリエイター支援プラットフォームのPatreonを使用するユーザーにとって打撃となります。Patreonを使用して収益化を行うクリエイターは、まずユーザー数が多いXで注目を集め、そこから自身のPatreonページへ誘導するという仕組みを構築していることが多いためです。

ロックバンド・Eve 6のボーカルを務めるマックス・コリンズ氏はPatreonを使用していますが、2023年7月の時点で「フォロワー数が多いはずのTwitter(現在のX)に投稿したPatreonリンクへの反応が悪い」ということに気がついていたとのこと。コリンズ氏はThe Markupに対し、Patreonは熱心なファンに向けて新曲を作るというバンドの計画にとって重要だと説明しています。

また、法律系ポッドキャスト・5-4を運営するピーター・シャムシリ氏は、PatreonへのリンクをXがスロットリングすることで、クリエイターがXを宣伝プラットフォームとして利用しにくくなると指摘。シャムシリ氏はポッドキャストの成長にとってTwitterが必要不可欠なものだったと述べていますが、記事作成時点では代替SNSのBlueskyでの宣伝活動に力を入れているとのことです。