長く快適に暮らすには、家づくりの際の建材選びが大事です。3年前にハウスメーカーで家を建てた、工学博士で洗剤の研究をしている日刊住まいライターは、劣化しにくいことと、掃除がラクなことを念頭に建材を決めました。水回りでは床に防水マットを採用。浴室は水アカが目立ちにくい白に。各部屋の扉をつり戸にしてホコリがたまらないように。結果、きれいな状態をキープしています。採用してよかった4つの建材を紹介。

水回りは防水性フロアに。変色を防げて掃除もラク

筆者は妻と子ども2人(4歳と1歳)の4人家族。3年前に大手ハウスメーカーで、総2階の家を建てました。家づくりでは、できるだけ手間をかけずに、きれいな状態をキープできるよう、部材や建具を選びました。

わが家の洗面所と脱衣所は横並びで続いており、ここの床は防水性のある床材を採用しました。現在、床にマットを置き、お風呂上がりのあと、その上で体をふきます。

家族4人が使用したあとのマットは、かなりぬれた状態。普段は、同じフロア内に採用した洗濯物の干し場で、使用後のマットを乾燥させています。しかし、敷いたままにしてしまっていることも。

長い期間を通じて、少しずつ染み込んだ水は、カビを生やしたり劣化を進めたりして、床を変色させる可能性は十分ありえます。実際、筆者の実家では、マットの下の床材が変色していました。

しかし、わが家のように防水性のある床材は、表面の汚れをサッとふくだけできれいになります。掃除もラクです。ただ、わが家の床材の表面は、よく言えばクッション性があり、悪くいえばやわらかく強度が弱いです。ものを落とすと、すぐに傷がついてしまい、この点がやや難点。

じつは、水滴がつくことの多い、キッチンの床材も同様の防水性のものを考えていました。しかし、ハウスメーカーの仕様で、キッチンのみ(わが家はLDKがオープンな間取り)の床材の変更は、できず断念しました。

 

浴室は水アカ汚れが目立たない白色を基調に

わが家のお風呂は、床、壁、浴槽は基本的に白色で統一しています。唯一、壁の一面だけ茶色に。白色にした理由は、水アカ汚れの目立ちを抑えるため。

水アカ汚れは白色で、お湯に含まれるミネラル成分が乾燥したもの。害のある成分はありませんが、見た目がよくないので気になってしまいます。

そこで、わが家は水アカ汚れが目立たない、同色の白色にそろえました。壁一面だけ茶色にした理由は、雰囲気にアクセントを加えるためと、壁面なので水滴が垂れ落ちて水アカ汚れにはならないと考えたため。

実際に使ってみても、茶色にした壁一面には、水アカ汚れがほとんどついていません。結果的に、お風呂場の水アカ汚れはあまり目立たず、浴室掃除の手間も軽減できていると感じています。

各部屋の扉をつり戸に。レールのない床は掃除がラク

わが家の各部屋に設置した扉はすべて「つり戸」を採用しています。そのため、床に扉用のレールがありません。

採用の理由は、レール内にたまったゴミの掃除が面倒だと思ったからです。

レール内にたまっているホコリなどは、掃除機で吸い上げにくく、それだけでストレスになります。レールがないことで、掃除機がけをスムーズにでき、掃除がラクです。

 

床回りの巾木は、掃除の際に壁を傷から守る

最近の家では、すっきり見せようと、床回りにある巾木(はばき)をつけない家が増えているようです。わが家も巾木を採用する予定はありませんでした。しかし、「掃除機が壁に当たって傷つく」とハウスメーカーの営業からの指摘もあり、採用しました。

実際、巾木を採用してよかったと感じています。というのも、わが家の床は白色で落ちた髪の毛がとても目立ち、頻繁に掃除機がけをしているため。

巾木がついていなかったら、「床回りに掃除機が当たらないように掃除しないといけない」と意識しながら掃除機がけをすることに。非常にストレスがたまっていたと思います。また、掃除の回数からして、ぶつけることも多く、きっと壁を傷つけていたはず。

その一方で、巾木の上部分にホコリがたまりやすいので、この部分の掃除が手間。わが家が採用に渋っていた理由も、このホコリ取りが面倒だと思ったからでした。

ただ、日々の掃除機がけにストレスを感じるくらいだったら、ホコリ取りの手間の方が負担は少ないと思います。

水回りは色や性能にこだわって部材を選びました。また、掃除しやすさの視点で、建具や建材を採用。この2つのことで、3年たってもわが家はきれいな状態を維持できています。