忙しいときなど、気がついたら家中が散らかっていて、どこから手をつけていいかわからない…なんてことがあるかもしれません。ここでは、50歳から本格的にミニマムな暮らしをスタートさせたという、カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さん(現在60代)に、忙しかったり気分が落ちこんでいたりするときの「片づけのコツ」を教えてもらいました。

忙しかったり気分が落ちこんでいたりするときの「片づけのコツ」

仕事が忙しかったり、落ち込むできごとが起きたりして、家事が追いつかないことがあります。すると部屋がどんどん散らかってしまいますよね? そのまま放置すると、あとでしんどい思いをして一気に片づけるはめになります。

「なんか、散らかってきたな」と思ったら、さっそくその日から片づけを開始しましょう。やる気が出ないときは、以下の方法をお試しください。

●1.目の前の小さな片づけに集中

「あ〜、家全体がすごく散らかっている」と落ち込むのはやめて、まずは目の前の小さなタスクに意識を向けます。汚部屋を前にすると、作業の大変さを思って気持ちがくじけます。しかし、「今日はたった1か所、片づければいいんだ」と思えば勇気が出ますよ。

たとえば、

・流しにたまっている汚れた食器

・床の上に散乱しているもの:衣類、雑誌、本など

・ベッドの上

・部屋のかたすみにある、まだ畳んでいない洗濯もの

・テーブルの上にのっている細々としたもの

・洗面所に散らかっている化粧品

・出し忘れていたゴミ

こうした小さなものを1つずつ片づけることに集中しましょう。

●2.タイマーを使う

1回の片づけは15分ぐらいがおすすめです。長々とやると疲れるので、その日はがんばれても、翌日はなにもせず放置するというパターンに陥りがち。時間をかけすぎないために、ぜひタイマーを使ってください。

タイマーをかけると、集中して作業できます。もし、「15分もやりたくない」と思ったら、2分にセットし、「とりあえず、2分だけがんばろう」と気持ちを奮い立たせましょう。2分ならできるのではないでしょうか?

タイマーが鳴ったら、今日の片づけは終わりです。あとは、心置きなく自由に過ごしてください。ただし、明日も2分間片づけることを忘れずに。

●3.簡単なルールを1つだけつくって守る

部屋が片づく自分ルールを1つつくって、そのルールだけは毎日守りましょう。2番で書いた、「1日2分の片づけ」もその1つです。

ほかには、

・ものを出したら、必ずしまう

・テーブルの上だけは毎晩きれいにする

・郵便物を家に入れたら、すぐに仕分けする

・床の上に服を脱ぎ捨てない

・使った食器はその日のうちに洗う

このように、今の自分がちょっとがんばればできるルールを決めて、実践を心がけてください。自分との約束を守ることができれば、だんだん自信がついてきます。

●4.不用品は思いきって処分する

ものが多ければ多いほど部屋が散らかり、もとに戻すのが大変になります。この機会に、少し不用品を捨ててはどうでしょうか?

もう読まない本や雑誌、長年着ていない服、使わないバッグや袋もの、壊れてそのままになっている家電製品、古い書類や紙類、たくさんある食器やキッチンツール。このようなものの中に不用品が潜んでいます。見つけたら、どんどん捨てましょう。

ショップの袋や、食品が入っていた空きビンも、「なにかに使えるかも」と思わずに手放してください。ものが少なければ収納しやすいので、散らかりにくくなりますよ。

●5.メンタルのケアをする

気持ちが落ち込んでいるとき、ちょっと片づけをしてみると気分転換できますが、ほかにも、落ち込みを解消できそうなことをやってみてください。

おすすめは気持ちを書き出すことですが、深呼吸や瞑想、ゆっくりお風呂に入る、緑の多い場所をのんびり散歩する、ジョギングやヨガなど運動をする、家族や友人とともに過ごすなども効果的です。

大本の問題から逃げず、解決するための行動を取ることもおすすめです。肉体的に疲れているときは、思いきって仕事や家事を休み、のんびりしましょう。

筆子さんの著書『50歳からのミニマリスト宣言!』(扶桑社)では、ここで紹介した以外にも、上手なものの減らし方や、ミニマリストになってよかったこと、体と心の健康を保つコツなど、これからの暮らしに役立つ内容をたっぷり掲載しています。