毎月のように物価の値上げが発表されるたびに、食費を見直そうと思っている人も多いのではないでしょうか? 食費節約には、買いすぎ、食品ロスを減らすことも大切になってきます。整理収納アドバイザーの三條凛花さんに、食費節約が苦手な人の冷蔵庫の中身の特徴と、上手に節約するコツについて教えてもらいました。

まとめ買いで「むしろ損している人」の特徴3つ

物価の値上がりで食費を見直そうと考えている方も多いのではないでしょうか。わが家も同じで、対策してみた結果、食費を大幅に減らすことができました。
効果的だったのは、「週2回のまとめ買い」から「小分け買い」に変えたことです。冷蔵庫にも大きな変化がありなにより食品ロスがなくなったことが大きいです。

節約のためになると思って、まとめ買いしている人はもしかすると、損をしている場合もあります。この記事では、3つの特徴を紹介しています。当てはまっている方は、買い出しの方法を見直すことで食費の改善になるかもしれません。  

【特徴1】期限ぎれ食品が眠っている

この賞味期限ぎれの食品が残っているとは、たとえば「しなびた野菜」「3日以上前につくった常備菜」「消費期限が過ぎたお肉」などが当てはまります。

こちらの図のように、献立を決めるのが苦手だったり、決める時間がない人に起こりがちだと考えられます。まとめ買いをしていても、きちんと計画した状態で買いものができていれば使いきりやすいからです。ほかにも、つくりすぎて食べきれなかったり、帰宅後に時間がなくて適当に冷蔵庫に詰めている場合も起こりやすいでしょう。

まとめ買いをしても、その食材を使いきれない。その結果、新たに買い足して、食費がかさんでしまう原因になっている可能性があります。

【特徴2】急にホールケーキをもらったら保存しておく場所がない

ホールケーキではなく、鍋を想像してもいいのですが、今すぐに冷蔵庫に大きなものを入れるとしたら、入るスペースはありますか?
このように冷蔵庫の中にゆとりがないくらいパンパンに食品・食材が詰まっている状態にしてしまうと、出し入れがしにくいだけで料理が面倒になります。また、ひと目で中のものを把握できないので、ムダ買いが増えてしまいます。

こちらの図のように、片づける時間がなかったりする人も要注意です。期限ぎれの食品が増えてくほど、罪悪感や面倒くささでより大変になってしまいます。

【特徴3】必要ないのに同じものがたくさんある

冷蔵庫の中に、同じものがたくさんありませんか? これは、ストックとして計画的に買ってあるのではなく、間違って同じものを何度も買ってしまうケースを指しています。
その原因は以下のパターンがあるのではないでしょうか?

無計画に買ってしまったり、ついつい買いすぎてしまったりが原因で、いつのまにか冷蔵庫がパンパンに…。量が多いほど管理は大変になります。

こうなると、在庫があるのかわかりにくくなり、まだあるのに同じものを買ってしまうという負のループに…。しかも、たくさんありすぎると賞味期限内に食べきれず、損をしてしまっています。

上手に食費を減らすポイント

食費が減ったのは、まとめ買いから小分け買いに変えたからだと思います。
でも、まとめ買いをせざるを得ないご家庭もあると思います。私自身も以前はそうでした。小さな子どもがいて買いものに行くだけでも大変なうえ、最寄りのスーパーまで徒歩25分…。
もし、「小分け買い」が難しい方々へ、3つの食費節約についてご提案いたします。

(1)献立を固定化する

献立を決めずにまとめ買いをしてしまうと、使いきるハードルが上がります。かと言って、毎回違う献立を考えるのも大変です。なので、その都度献立を考えなくていいように、定番メニューをメモしておくのをご提案したいと思います。

100円ショップ等で買える情報カードを活用し、メニュー名と材料をまとめてみましょう。このまま持ち出すこともできるので、買うときもつくるときも迷わずに済みますよ。

私はこのようなカードをパソコンで自作しています。

(2)必要なものを10割買うのをやめる

急な予定変更や体調不良で食事をつくれない日はありませんか? 「次の買い出し日まで必要な食材量」を買うのをやめるのも一案です。

「冷蔵庫になにもない!」と思っても、市販の冷凍野菜や乾物を活用すると意外と乗りきれるものです。

また、あえて自炊にこだわらず「レトルト+ちょいたし」くらいにするのもいいのではないでしょうか。“つくらない”に抵抗がある場合は「防災時の備蓄にもなる」と考えれば、心理的ハードルが下がりますよ。

(3)在庫補充カードをつくる

(1)と同様に、情報カードを活用するアイデアがこちらです。

これは消耗品用の例ですが、食品なら「調味料・乾物・レトルト食品」などにも応用できます。ストック置き場にカードも設置。ひとつなくなったら財布に入れて買い出しへ。買いたしたらカードをストック置き場へ戻します。

これらの3つの対策は、もちろん「小分け買い」の方にもお使いいただけます。

 

食費節約の基本は、在庫を把握し、無駄を生まないことです。忙しい日々で細かく管理するのはむずかしいですが、だからこそ、冷蔵庫の中身を少なく保つ「小分け買い」は効果的だと私は考えています。