閉経前後に訪れる、心身ともにゆらぐ更年期。対処法を知って、女性ホルモンのアップダウンによる波を上手に乗りこなしましょう。産婦人科専門医の高尾美穂先生、鍼灸院院長の柳本真弓先生、料理研究家の金丸絵里加さんに、更年期の上手な乗りこなし方を教えてもらいました。今回は、疲れやだるさを食事とストレッチで解決します。

更年期の疲れ・だるさを解決する方法4つ

疲れが回復しにくい更年期。無理せずにできることを紹介します。

●疲労回復を助ける豚肉と鶏胸肉を食べる

「疲労回復を助ける代表的な栄養素は、ビタミンB群とイミダペプチド。前者は豚肉、後者は鶏胸肉が代表的な食材です」(金丸さん)。しっかりと食べる習慣で疲れにくい体に。

●タコやイカはタウリンを含むお助け食材

魚介類には栄養ドリンクでも有名なタウリンが豊富。「代表的な食材はタコやイカ。抗酸化作用があり血流を促進するビタミンEを含む食材と一緒に食べると効果的」(金丸さん)

●毎日同じものばかり食べないようにしよう

筋肉のもとになり疲れにくい体をつくるタンパク質。「肉、魚、卵、大豆製品と日によって食材を替えることを意識すると、それぞれに含まれる多種多様な栄養素を摂取できます」(金丸さん)

●筋肉を鍛えておくと疲れにくくなる

疲れにくい体になるには筋肉をつけることも大事。「更年期は筋トレのような無酸素運動も取り入れて。イスに座るとき中腰を数秒キープするクセをつけましょう。お尻の筋肉を鍛えられますよ」(高尾先生)

●「足三里(あしさんり)」のストレッチ&刺激で元気をチャージ

疲れを癒やして「気」の受け入れ態勢を整え、エネルギーをチャージする足三里。

「疲れたときに押すと痛みを感じるので、まずストレッチでほぐしてからツボ押しを」(柳本さん)

ストレッチ

正座をし、ひざを持って床から少し持ち上げ、10秒キープ。硬くなったすねを伸ばす。左右同様に。

ツボ押し

親指をひざの上に引っかけて指を伸ばし、中指が当たるところ。すねの外側を親指で指圧する。左右同様に。

ツボ押しやヨガ、アロマセラピーなどを行う場合、妊娠中やその可能性がある方、持病のある方は事前に医師と相談してください。また、試してみて痛みや不調があるときは、すぐに中断してください。

西洋医学に基づかない鍼灸やマッサージ、アロマセラピーは体質改善を目指すものであり、効果・効能には個人差があります