屋根裏収納を採用したことで、大きなものをなんなく片づけ。また、屋根裏収納のおかげで、各部屋の収納スペースに余白が生まれ、使いやすいままキープできる! ハウスメーカーで建てた注文住宅に暮らして2年。メリットを実感している日刊住まいライターが、屋根裏収納について語ります。

新築に屋根裏収納を採用したら、家じゅうすっきり

現在、7歳と4歳を子育て中の筆者。子どもが赤ちゃんのときに使っていた絵本やおもちゃ、靴。たくさんの想い出があって、なかなか捨てられないのが悩みです。3人目が欲しくて、ベビーベッドも手元にあります。

以前の賃貸住まいでは、小さな収納に収まらず、ものがあふれていました。3年前に注文住宅を新築する際も、「ふたりとも整理整頓が苦手。ものをため込む性格なのにで、この先、丈夫かな?」と妻から言われたほどでした。

しかし、延べ床面積38坪の2階建ての新築で、2坪の屋根裏収納を採用した結果、今では各部屋がすっきりと片づいた状態をキープできています。片づけの苦手な筆者が、どんな屋根裏収納つくったのか紹介していきましょう。

 

屋根裏収納は比較的低コストで採用できる設備

写真は、屋根裏収納に、大きなベビーベッドが1つだけ入っている状態のときに撮影したもの。この広い(2坪)屋根裏収納の建築費は、ハウスメーカーの坪単価では約10万円でした。

「もし床面積を増やして収納をつくると、坪単価は約80万円かかる」。ハウスメーカーの設計士には、そう説明を受けました。

つまり、屋根裏収納にしたおかげで、建築費の坪単価が8分の1ですんでいます。予算が不足していた筆者は、もちろん床面積を増やさず、ハウスメーカーのオプションとして屋根裏収納を採用しました。

屋根裏収納なら、(もちろん建てる家にもよりますが)広いスペースを、比較的安く手に入れることができます。また、どこかの居室を無理に狭くする…というような、間取りを考えるうえでの不都合もありません。コストパフォーマンスのよさに筆者は大満足。

デメリットもあり。精密機械や繊細なものは保管できない

屋根裏収納には、当然、デメリットもあります。家づくりを終えてから知ったのですが、長期間、屋根裏へ収納するのには、向かないものがあるようです。屋根裏は換気システムや冷暖房が効いておらず、夏場に高温多湿の環境となります。そのため、設計士からは以下のようなアドバイスを受けました。

「扇風機や除湿器などの家電は、問題ありません。しかし、DVDのような記録媒体、パソコンやカメラなどの精密機械、カセットコンロ、石油ファンヒーターや石油ストーブ、また革製品や布団などは、注意が必要です」

湿気によるカビやサビの発生、ストーブ内に残った灯油が事故を引き起こす可能性があるとのこと。屋根裏収納を採用する場合は、湿度調整に気をつける必要があるようです。

筆者は除湿剤を2、3個設置し、季節ごとにドアをあけて半日程度の換気をしています。そのおかげで、あくまでわが家のケースではありますが、カビは一切なし。湿度も60%を超えたことはありません。

 

2坪の屋根裏収納はどれくらい入るのか、使い勝手は?

一般的に屋根裏収納というと、天井にある出入り口へ、階段(あるいはハシゴ)を使ってアクセスするイメージではないでしょうか。じつはわが家の屋根裏収納は、通常のタイプとは異なります。2階の子ども部屋の壁から、簡単に入れるのです。

これは、わが家が総2階ではないため。2階は1階より床面積が小さく、子ども部屋しかありません。そのため、1階の屋根裏部分に、子ども部屋の壁からアクセスできるのです。

屋根裏収納の広さは2坪、高さ140cmです(建築基準法により、この高さを超えることはできない)。173cmの筆者だと、余裕のある中腰で収納内を移動できます。ただし、問題は出入口のドアです。

 

出入り口のサイズは、高さ60×幅90cm(対角線の長さは110cm)。斜めにすれば、一応、たいていのものは入りそうです。

ただし大人が中へ入るには、しゃがまなければなりません(筆者の腰の位置がちょうどドアの上部にきます)。慣れていない頃は、入る際に頭を打ったこともありました。

内部は大きくて使いやすい収納なのに、出入り口が小さいのは、ちょっと使い勝手が悪い気がします。ただ、ありがちな「天井に設置された出入り口から、階段を使ってアクセスするタイプ」ではないため、快適だと感じています。

屋根裏収納があると、別の収納も使いやすくなる

天井の低さや小さな出入り口は、収納のしやすさからいえば確かにボトルネックです。とはいえ、2坪の大容量収納ともなると、やはりその片づけ効果は絶大。

現在筆者が収納しているのは、おもに以下のようなものです:
・旅行に使うバッグや旅行用品
・子どもの使わなくなった服や絵本、おもちゃ
・今は使わないけど捨てると困るもの
・年1、2回しか使わない季節もの
・予備の毛布や厚めの羽毛布団
・季節の飾り物(五月人形など)

こうしたものを、もしも使い勝手のいい室内の収納に持ち込んでしまうと、結果的に利便性を下げることに。よく使うものの出し入れが、しづらくなるからです。使いやすい収納スペースを維持するには、余白があることが大事。

やはり、たまにしか使わないもの、大きくてジャマなものは、屋根裏収納での保管がベター。室内収納の圧迫をしないのはもちろん、適材適所の収納ができるので、生活がスムーズになります。

 

加えて、「とりあえず屋根裏収納に置いておこう」とラフに使えるのも魅力的。もちろん、なんでもかんでも入れればいいわけでなく、先のことを考えて、きちんと取捨選択も大切ですが(処分を検討することも含めて)。

収納スペースがたりずに家づくりに後悔…というのは、よく聞く話。だったら、工夫するなどして収納スペースを少しでも充実させて、その不安を少しでも減らせるといいのではないかと筆者は思います。

ハウスメーカーに相談した筆者のように、担当者や専門家のアドバイスをもらいながら、屋根裏収納について検討してみてはいかがでしょうか。